富山県立中央病院

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眼科

概要

 急性期病院として、手術治療を主に行っています。病状が安定している患者さんは、お近くの医療機関に紹介して、治療継続をお願いしております。また、ご紹介いただいた症例は、なるべく早く紹介元の先生に逆紹介するように心がけています。屈折矯正手術、角膜移植などは行っておりませんので、専門病院へ紹介しております。

 令和4年度に施行した手術は、白内障手術が約600件、硝子体手術が約150件、緑内障手術が約50件でした。

*白内障手術*
白内障手術は、原則1泊入院で行っております。現在、手術まで2ヶ月程度お待ち頂いております。

*硝子体手術*
硝子体手術に関しては、緊急性に応じて手術を予定しております。入院期間はおよそ4日間前後です。目の状態に応じて、術後にうつむきの姿勢になって頂く場合もあります。

*緑内障*
緑内障の手術は眼圧を下げるための手術として、線維柱帯切開術、線維柱帯切除術、チューブシャント手術を行っております。入院期間はおよそ4日間程度です。

*加齢性黄斑変性症*
加齢黄斑変性症に対しては、抗血管新生阻害(VEGF)薬の硝子体内注射を病状に応じて行っております。硝子体注射は日帰りです。

*黄斑浮腫(糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症など)*
各種の疾患に起因する黄斑浮腫に対しては、抗VEGF薬の硝子体内注射や網膜光凝固、状態に応じて硝子体手術を行っております。

診療担当表

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
初診 満保 満保 西野 西野 狩野
1診 西野 西野 西野 西野 西野
2診 狩野 狩野 狩野 狩野 狩野
3診 満保 満保 満保 満保 満保
5診 西村 西村 西村 西村 西村

診療は午前
手術日…月~木午後
精密検査は午後

医師紹介

医師名・職位 専門分野 資格
副医長
西野 翼
(にしの つばさ)
角結膜
網膜・硝子体
医学博士
日本眼科学会認定眼科専門医
副医長
満保 祐己
(まんぼ ゆうき)
医師
狩野 愛佳
(かの あいか)
白内障
医師
西村 俊亮
(にしむら しゅんすけ)

1.白内障の眼

 老人性の白内障の写真です。水晶体が黄色っぽくなって筋状の白い濁り(白内障)が外側から中心に向かって延びてきています。
白内障の眼

2.白内障術後の眼

 手術後に眼内レンズが入った状態です。
白内障術後の眼

3.正常な眼底写真

 眼底とは、眼の奥のことで、光を感じる網膜があるところです。網膜から出た神経繊維は視神経乳頭(向かって左の丸いところ)から脳へ向けて出ていきます。網膜を栄養する動脈と静脈も視神経乳頭から出入りしています。
正常な眼底写真

4.緑内障の眼底写真(視神経乳頭陥凹)

 視神経乳頭の部分が二重になって陥凹しています。視神経萎縮のため視神経乳頭からでていく神経線維の数が減少し、視神経乳頭が凹んでしまうのです。これがあると、緑内障の疑いがかけられますが、中には生まれつき視神経乳頭が凹んでいるだけで病気でない人もいます。
緑内障の眼底写真(視神経乳頭陥凹)

5.糖尿病網膜症の眼底写真

 糖尿病網膜症とは、糖尿病が原因で起こる網膜の障害です。後天的な失明の主要な原因の一つです。
 糖尿病の進行により網膜の細い血管の血流が徐々に悪くなり、血液中の成分が血管から漏れやすくなります。写真のように網膜を走る血管の間に、赤い出血と白い白斑、毛細血管瘤があります。こういった血管の障害を繰り返しながら糖尿病性網膜症は進んでいきます。
糖尿病網膜症の眼底写真

糖尿病網膜症の蛍光眼底造影検査

 蛍光眼底造影検査では、毛細血管の領域が閉塞した部分が暗くなっている部位(無血管野)および、網膜血管上に造影剤の漏れ(新生血管)があることがわかります。
糖尿病網膜症の蛍光眼底造影検査

6.正常な蛍光眼底造影検査

 正常な眼底では、造影剤が通った血管が白く写ります。また、血流に障害のない網膜は均一な背景の色になります。
正常な蛍光眼底造影検査

7.網膜上膜の眼底写真

 網膜の表面に膜様の組織が形成される疾患です。加齢に伴い形成される、特発性のものが多いです。膜様組織の収縮により、網膜自体にも皺の形成を認めます。この皺の影響で、歪んで見える、中心がかすんで見えるなど見え方に影響が出ます。症状が進行し自覚症状が強くなると、硝子体手術の適応となります。
網膜上膜の眼底写真

8.黄斑円孔の眼底写真

 網膜の中心、黄斑部に穴が生じる疾患です。特発性、強度近視に伴うもの、外傷性などが原因です。特発性のものが多く、硝子体が年齢による変化で収縮して黄斑部は引っ張られることにより生じると考えられています。
 症状は視力低下と歪んで見える、中心が暗く見えることもあります。進行した黄斑円孔も硝子体手術の適応となります。
黄斑円孔の眼底写真

9.網膜剥離の眼底写真

 網膜が眼底からはがれることを網膜剥離といいます。何らかの原因で網膜の一部に穴が開き、そこから網膜が徐々にはがれて進行します。網膜が剥がれた場所に一致した視野の障害と視力低下が起こります。暗い影がかかったり、カーテンが下りてきたように感じます。
 自然治癒することは極めて少なく、放置すると剥がれた網膜の機能は失われます。すべての網膜が剥がれ網膜全剥離に至れば、失明することもあります。
 写真では上の網膜が手前にはがれています。剥がれた網膜の場所や網膜の状態により、様々な手術の方法があります。
網膜剥離の眼底写真

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