富山県立中央病院

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母子医療センター

概要

母子医療とは

1.母子医療センターとはどんな所かといいますと。。。

 当院の母子医療センターは、平成8年10月1日に全国に先駆けて開設されました。このセンターは、母体・胎児集中治療管理室(MFICU)、新生児集中治療室(NICU) 、産科病棟および新生児病棟を備え、合併症妊娠、重症妊娠中毒症、胎児異常など母体または胎児のリスクが高い妊娠に対する医療や高度な新生児医療などの周産期医療を行うことができる体制を確保しています。病床数は、MFICU(母体・胎児集中治療室)が12床、NICU(新生児集中治療室)が29床です。

2.なぜ母子医療センターが必要かといいますと。。。

 近年の出産年齢の高年齢化や不妊治療の進歩(体外受精、顕微授精)等により、いわゆるハイリスク妊娠が増えてきており、高度な周産期医療が一段と求められるようになってきているからです。そこで、出生率の向上、新生児死亡率の低下、障害児の発生予防・ケア体制の充実を目的として設立されました。また、当院は富山県の周産期救急協力体制における周産期第三次救急医療機関として位置づけられており、地域においてより高度な周産期救急医療を必要とする母子の搬送を受け入れるという責務を担っています。

3.では母体搬送とは何かといいますと。。。

 「母体はいかなる優れた保育器より勝る」という観点から、早産児・低出生体重児などのハイリスク新生児の出生が予測される場合、生まれてから搬送するのではなく、できるだけ母体の中にいる間に搬送することが重要です。そして、母体・胎児集中治療により早産を減少させ、また出産直後から高度な新生児医療を受けることにより新生児死亡の減少、さらには障害児の減少にもつながります。

4.そこで私たちスタッフは。。。

 産婦人科医師、小児科医師、助産師、看護師が24時間体制で勤務しており、日々研鑽に努め、スタッフ一同で力をあわせて、我が富山県の今後の担い手を健やかに生み育てられるよう、母子医療の向上に向けて頑張っています。
 当院は「赤ちゃんにやさしい病院」に認定されており、夫立会い分娩、早期母子接触(カンガルーケア)、母子同室、新生児回診等、母乳育児支援に積極的に取り組んでいます。

診療担当表

現在、診療担当表は公開されていません。

医師紹介

現在、医師紹介は公開されていません。

母乳育児支援について

1.子宝教室から出産・退院まで

母子医療センターphoto1.子宝教室で
 子宝教室で出産・育児の知識や心構えなどお話します。ご主人も出席できます。

母子医療センターphoto2. 陣痛室で
 陣痛が始まると陣痛室で過ごしていただきます。ご主人やお母様も付き添うことができます。アクティブチェアーに座ってリラックス!リラックス!

母子医療センターphoto3.夫(パパ)立会いで感動の赤ちゃん誕生!
 赤ちゃんの誕生をどうぞご夫婦で迎えてあげてください。ご主人が分娩に立ち会われることでママが安心しリラックス効果によってお産の進みがよくなります。またパパの育児参加も積極的になるというメリットもあるのですよ。

母子医療センターphoto4.分娩直後のカンガルーケア
 お産が終わってからパパの見守る中でカンガルーケアをします。泣いていた赤ちゃんも聴きなれたママの声と心臓の鼓動を聞きながら穏やかになっておっぱいを吸いだします。

母子医療センターphoto

母子医療センターphoto5.お部屋で
 24時間赤ちゃんと一緒です。(母子同室)
お産して2~3時間後、母子ともに異常がなければ赤ちゃんとともにお部屋へ移ります。赤ちゃんがおっぱいを欲しがったらいつでも飲ませてあげてください。

母子医療センターphoto6.添い寝・添い乳
 赤ちゃんがぐずったりしてなかなか寝ないときはママの横にそっと寝かせてみましょう。そのままおっぱいを上げてもかまいません。きっと安心してねむっていくことでしょう。

7.おっぱいマッサージ
 おっぱいがはってきた、赤ちゃんがおっぱいをうまく飲んでくれない、しこりができた…。そんなときはスタッフが授乳のお手伝いをさせていただきます。

母子医療センターphoto
8.沐浴
 ママが赤ちゃんをお風呂に入れています。ママ上手ですね。

母子医療センターphoto9.退院の日
 入院中、母乳育児で母子ともに順調に過ごされ今日退院します。おめでとうございます。赤ちゃんの健やかな成長をお祈りいたします。

2.NICU (Neonatal Intensive Care Unit 新生児集中治療室)

母子医療センターphoto 富山県立中央病院NICUは、早産で生まれた小さな赤ちゃんや、普通の体重で生まれたにもかかわらず、何らかの病気・症状を持った赤ちゃんが入院し治療するための救命病棟です。
 早産の中でも在胎22週以降で1000g未満の赤ちゃんや、ハイリスク新生児を治療・ケアする狭義のNICUとして9床、軽症または急性期の治療が終了した回復期・慢性期の赤ちゃんの治療・ケアを行うGCU(Growing Care Unit・継続保育治療室)14床の計29床から構成されています。
  新生児専属医6名、看護スタッフ(師長1名、新生児集中ケア認定看護師1名、助産師および看護師29名)が24時間体制で赤ちゃんの治療・看護をおこなっています。

3.NICUの赤ちゃんのようす

1.新生児搬送

母子医療センターphoto 今から、救急車で赤ちゃんを迎えに行きます。
※ 救急車は富山県内の病院、産院にだけでなく依頼があれば石川県・岐阜県など県外にも出向いて新生児搬送を受け入れています。

2.ディベロップメンタルケア

 NICUに入院した赤ちゃんは、静かで暖かな保育器が、自分のお部屋になります。必要に応じて、点滴や心電図モニターなどの器械を体に付けます。
 できるだけママのおなかの中に近い状態にするため赤ちゃんの周囲に丸く囲みを作り保育器内が暗くなるよう保育器を掛物で覆っています。
 少し早く生まれた赤ちゃんは、子宮外で出会う様々なストレスに対して、適応することができません。赤ちゃんの健やかな発達発育には、様々なストレスから赤ちゃんを守り発達段階にあわせて、環境を整えてあげることが必要です。
 私たち看護スタッフは室内の照明を落として、騒音は避け、赤ちゃんにストレスがかからず眠れるよい環境づくりに心がけていきたいと思っています。

3.ファミリー・センタード・ケア(家族中心のケア)

母子医療センターphoto(1)面会・育児参加
 赤ちゃんの状態が落ち着いてきたらパパやママも少しずつ育児参加していただいています。保育器の中で体温を測ったり、おむつを替えたり。授乳の最初は、母乳を綿棒に付けて赤ちゃんのお口に含ませて与えます。

  育児参加時間はパパやママに、育児行為(検温、おむつ交換、着替え、授乳、抱っこ、沐浴・清拭、薬の飲ませ方、綿棒刺激による排便誘発など)をしていただいています。
 入院中から、育児参加することで、赤ちゃんことが、よくわかり、自宅での赤ちゃんとのかかわり方がスムースになります。
 また退院前には、パパやママに夜間の赤ちゃんの様子を知ってもらい、退院後の育児に自信を持ってもらうため母子同室をすすめています。

母子医療センターphoto(2)タッチング・ホールディング
 小さな手でママの指をしっかりと握っている赤ちゃん。がんばっているよってママに一生けん命に伝えているのかな。
  赤ちゃんが泣いて落ち着かないときには、両手で赤ちゃんの頭と背中、おしりをやさしく包み込むようにホールディング。パパやママがホールディングすると、泣いている赤ちゃんも落ち着きすやすや眠っていきます。

(3)カンガルーケア
 カンガルーケアは、胸に赤ちゃんを縦抱きにして直接肌と肌とが触れ合うように抱っこします。その姿がカンガルーを連想させるところから、カンガルーケアといわれています。
  赤ちゃんの状態が落ち着いた32週頃より医師の許可があってから開始しています。カンガルーケアは、ママだけでなく、パパにもしていただいています。また、多胎児のカンガルーケアも行っています。

母子医療センターphoto
(4)母乳育児
 直接ママのおっぱいを飲めるようになるその日まで、ママには、赤ちゃんのために毎日一生懸命母乳を絞り冷凍保存した母乳を病院に届けていただいています。
 冷凍母乳は、1日分を流水下で解凍し8回の授乳時間に合わせて哺乳瓶に分け24時間冷蔵保存し、授乳時間前に温蔵庫で温めた後赤ちゃんに飲ませています。
  また、産科病棟のスタッフが、入院中のママの搾乳を時間ごとに届けてくれるので小さな赤ちゃんにとって大切な初乳を優先して与えることも行っています。

最後に

 治療上理解のできないことや、納得し難い事がございましたら、遠慮なく我々に声をかけて下さい。このホームページを御覧になられた方々が少しでも明るい希望が持てますように、また皆様の赤ちゃんが未来に大きく羽ばたけますように祈りをこめて。
富山県立中央病院 NICUスタッフ一同。

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