救急科
概要
当院の救命救急センターは、富山県の三次の救急医療を担う機関とし て昭和54年に開設され、県東部の救急医療の最後の砦として、365日・24時間体制で救急医療を提供しています。いわゆる北米型ER体制をとっており、心停止、多発外傷、広範囲熱傷などの重篤な状態や脳卒中、心臓発作、急性薬物中毒などの重症疾患のみでなく、比較的軽症の急病、怪我まで、来院手段や症状を問わず幅広く多くの患者を受け入れています。
令和4年度の救急受診患者総数は14,544名で、そのうち救急車搬送は6,397件と北陸随一の搬送件数となっています。
2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
受診患者数 | 12,993 | 12,816 | 11,423 | 12,498 | 14,544 | |
内訳 | 救急車 | 5,170 | 5,197 | 4,462 | 5,177 | 6,397 |
Drヘリ他 | 634 | 537 | 395 | 311 | 307 | |
Walk in | 7,189 | 7,082 | 6,566 | 7,010 | 7,840 | |
救急搬送応需率 | 96.4% | 96.3% | 96.8% | 97.3% | 95.8% | |
転帰 | 入院 | 7,925 | 7,731 | 7,014 | 7,833 | 9,231 |
帰宅 | 7,074 | 7,009 | 5,787 | 6,418 | 7,833 | |
外来死亡 | 136 | 126 | 122 | 165 | 166 | |
その他 | 715 | 596 | 1,105 | 1,250 | 1,232 |
救命救急センターでは、すべての救急受診患者を対象として救急科専門医を中心とした救急専任医が初期対応しており、患者の緊急度、重症度に応じて、安全かつ迅速に救急医療が提供できるように努めています。また当院では様々な専門診療科が充実しており、救急専任医による初期診断と緊急処置に引き続いて遅滞なく、それぞれの患者に必要な高度専門的治療を行うことが可能です。
当院救命救急センターでは、多くの患者に対して、より安全かつ適切に対応ができるよう救急専任医、看護師が緊急度判断(トリアージ)を行い、それに基づいて治療の順番を決定しています。より早く治療を開始する必要がある方から順に対応させていただきますので、来院順に診療させていただくわけではないことをご了承ください
診療担当表
現在、診療担当表は公開されていません。
医師紹介
医師名・職位 | 専門分野 | 資格 | |
---|---|---|---|
部長 若杉 雅浩 (わかすぎ まさひろ) |
|||
部長 松井 恒太郎 (まつい こうたろう) |
救急 熱傷 |
日本救急医学会救急科専門医 日本熱傷学会専門医 日本皮膚科学会専門医 麻酔標榜医 |
|
部長 中山 祐子 (なかやま ゆうこ) |
集中治療 小児 小児循環器 |
小児科専門医 PALSインストラクター 日本DMAT隊員 |
|
医長 大鋸 立邦 (おおが たつくに) |
救急医療全般 シミュレーション教育 |
日本救急医学会救急科専門医 日本航空医療学会認定指導者 北陸ACLSトレーニングサイトサイト長 AHA BLS/ACLS/PALS/PEARS/ACLS-EPインストラクター AHA BLS/ACLSインストラクタートレーナー AHA PALS/ACLS-EPリードインストラクター 日本救急医学会認定JPTECインストラクター 日本外傷診療研究機構JATECインストラクター ITLSインストラクター J-MELSベーシックインストラクター MCLSインストラクター MCLS-CBRNEインストラクター 日本DMAT隊員 統括DMAT隊員 |
|
副医長 瀬戸 大樹 (せと ひろき) |
|||
医員 桑野 博之 (くわの ひろゆき) |
救急医療 | ||
医員 腰塚 悠太 (こしづか ゆうた) |
|||
医師 岩上 万里奈 (いわかみ まりな) |
|||
医師 小泉 直生 (こいずみ なお) |
|||
医師 髙田 亮平 (たかた りょうへい) |
治療について
当院は富山県東部の救急医療の最後の砦として365日、24時間体制で三次救急医療(救命救急医療)を提供しています。また富山市を含む富山医療圏における二次救急医療も担っており救急救急搬送患者を広く受け入れています。救急受け入れ件数は年々増加しており、年間の来院患者総数は 約14,500名、そのうち救急搬送数約6,500名、入院患者数は約9,200名です。心肺停止患者は年間約160名となっています。
救命救急センターでは最良の治療がすばやく実施できるよう24時間救急専任医が常駐し、救急連絡と同時に準備を開始し診療にあたっています。生化学検査、レントゲン撮影、CT、内視鏡、カテーテル検査・治療、手術がいつでも可能な設備・体制を整えています。専用の病床としては、救命救急センター病床(ECU)を有し、集中治療部(ICU)と連携して重症患者に対して外来から引き続き高度救命医療が提供できるようにスタッフ、施設を整えています。
しかし病床数、医療スタッフ数には限りがありますので、受診状況によっては、来院されてから診療までに長時間お待ちいただく場合があります。その様な場合でも、より安全に救急医療を提供できるよう、救急専任医、看護師が各々の患者さんの病状を把握したうえで、診療の優先順位を判断させていただきますので、必ずしも来院順での診察とはならないことをご了承ください。また急を要しない病状の場合は日中にかかりつけ医を受診していただくこと、比較的軽症と判断される場合は富山市医師会急患センターなどの初期救急医療機関を受診していただけますよう、ご協力をお願いします。
より多くの患者さんに、より早く医療が提供できるようにするためには、救急医療を実践する人材の育成が欠かせません。当院は、日本救急医学会の救急科専門医研修指定施設であり、救急科専攻医、初期臨床研修医をはじめとし、救急救命士、看護師など多職種の者が救急医療の研修を行っています。当院ではシミュレーション研修にも力を入れており、実際に患者さんへの対応前にはしっかりと事前に研修行ったうえで診療に臨み、また実際の診療にあたっては、指導医とともに診療するようにしておりますので、より地域の救急医療体制を向上させるための医療従事者研修にご理解いただけますようお願いいたします。
当院は富山県の基幹災害拠点病院であり、災害時には地域の拠点として、多くの被災者の方の受け入れを行うとともに、災害派遣医療チーム(DMAT)を迅速に災害現場へ派遣する体制を整えています。毎年、大規模災害を想定してのエマルゴトレーニングシステムを用いた机上訓練や大規模な実動災害訓練を開催し、非常時でも地域の皆さんをしっかりと護ることができるように対策を行っています。
防災訓練(2009年)の災害訓練の模様
当院を基地病院として、富山県全域および岐阜県飛騨地域北部までカバーして富山県ドクターヘリが運航されています。トレーニングを受けた医師・看護師が医療資機材を携えて、
ドクターヘリで速やかに現場に向かって現場から救急医療を行います。一般の救急車ではなくドクターヘリを運用することで、患者さんの病院まで搬送時間を短縮するだけでなく、医療スタッフがより早く重症患者に接触し、的確な診断や処置を行うことが可能となり、救命率アップや後遺症の軽減にもつながります。1秒でも早く、1人でも多く助けたい…“All for TOYAMA”の精神で活動するドクターヘリは、富山県の緊急医療に新しい可能性をひらきます。