腫瘍内科
腫瘍内科
日本人の死因の第1位は悪性新生物“がん”です。2人に1人が“がん”に罹患し、3人に1人が“がん”で亡くなる時代であり、今や“がん”は国民病と言えます。
がん治療は、これまで、手術、放射線、抗がん剤が主な治療でしたが、最近、第4の治療である “免疫療法(免疫チェックポイント阻害剤)”が登場しました。これまでの「外部からの力を借りてがんを治療する」のに対し、免疫療法は「本来人間が持っている免疫力(異物を排除しようとする)を高めてがんを治療する」という、極めて画期的な治療です。
腫瘍内科は、抗がん剤治療や免疫療法といった“がん薬物療法”を専門としています。
担当しているがん腫としては、消化器内科・外科と連携して主に消化器がん(食道、胃、大腸、肝、胆、膵)、GIST、神経内分泌腫瘍などを中心としています。また、軟部腫瘍・肉腫、原発不明がんといった希少がんに対する診療も行っております。
その他、「セカンドオピニオン外来」も行っています。消化器がんを中心としたがん薬物療法でお悩みの症例がございましたら、ご相談ください。
通院治療センター
実際のがん薬物療法は、ほとんどが外来通院で行われます。治療の場となるのが、1階にある通院治療センターです。センター内には、フルフラットが可能なリクライニングチェアが35床あり、それぞれにポータブルTV(BSも視聴可)を設置しており、点滴中も快適に過ごせるようになっています。
2024年現在のスタッフは、がん薬物療法専門医2名、看護師10名(1名はがん看護専門看護師)、薬剤師1名で構成されております。また、抗がん剤投与中のアレルギー反応や血管外漏出が起こった際には、迅速に対応すべく、各診療科の医師によるバックアップ体制も整えています。
がん化学療法レジメンについて
当院では、がん化学療法レジメンについて検討を行い、がん化学療法委員会でレジメンが適正なものについて承認を行っています。
当院と他の医療機関及び保険薬局が連携を強化し、良質で安全ながん化学療法を提供することを目的に主な化学療法レジメンを公開しています。なお、投与量や投与スケジュール等は、患者さんの状態によって変更されることがありますので、ご注意ください。
レジメン一覧(2024.5.24作成)
化学療法での有害事象の報告や、レジメンについてのお問い合わせは、下記様式を用いて、薬剤部あてにFAXしてください。(FAX 076-491-7155)
(参考様式)トレーシングレポート(がん化学療法情報提供書)
緊急性があると思われるものについては、平日日中は各診療科、休日・夜間は救命救急センターにご連絡ください。
診療担当表
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | |
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1診 | 髙木 | 髙木 | 髙木(初診) | ||
2診 | 小川(初診) | 小川 | 小川 | 小川 | 小川(初診) |
医師紹介
医師名・職位 | 専門分野 | 資格 | |
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部長 小川 浩平 (おがわ こうへい) |
消化器癌に対する薬物療法 消化器病 腫瘍内科 |
日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医・指導医 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医 日本消化器病学会専門医・北陸支部評議員 日本消化器内視鏡学会専門医・指導医 日本消化管学会専門医 医学博士 |
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医長 髙木 宏明 (たかぎ ひろあき) |
消化器癌に対する薬物療法 消化器病 腫瘍内科 |
日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医 日本消化器病学会専門医 日本消化器内視鏡学会専門医 臨床研修指導医 |
通院治療センターの利用状況について
通院治療センターで実施される外来治療件数は、年々増加しています。
免疫チェックポイント阻害剤の治療件数について
最近では、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の治療件数の著しい増加がみられます。種々のがん腫においてICIを軸とした薬物療法の開発が進んでおり、今後もICI単剤・併用療法の件数がさらに増加していくことが予想されます。
免疫関連有害事象への対応について: irAE対策チーム
ICIには、特有の副作用である免疫関連有害事象(irAE)が少なからず起こり得ます。irAEが起きた場合、主治医にとっては専門外の副作用に遭遇することが多く、対応に難渋する場合があります。そこで専門の診療科にコンサルトしやすい体制を整えるために、2019年“irAE対策チーム”が設立されました。
メンバーは、腫瘍内科、呼吸器内科、内分泌・代謝内科、消化器内科、血液内科、脳神経内科、皮膚科、外科、泌尿器科、耳鼻いんこう科の各Dr.と、がん診療を専門とする薬剤師、看護師です。一番の目標はirAEが発症した際に、専門Dr.に速やかにコンサルトし、迅速で適切な対応が出来るようにすることです。また定期的にカンファレンスを開催し、実際の症例を振り返ることで、その対処方法、経過などの情報を共有し、irAEの知識を深めたいと考えています。