病気の診断や治療の方法は、日々進化し続けています。
当院は、日頃より最先端の医療提供を心掛け、
患者さんお一人おひとりが、自分に最適な医療を
納得して選び、安心して受けられるよう支え続けます。
がん医療も含めた高度急性期・急性期医療において、専門的・先進的な医療を提供するともに、県内各医療機関と連携・協力して、富山県全体の医療の質の向上に取り組んでいます。
手術支援ロボット「ダヴィンチ」
当院では、2016年9月に、富山県内で初めてとなるロボット支援下手術用の最新機種「ダヴィンチXi」を 導入し、
2017年初頭よりロボット支援下前立腺全摘除術を開始しました。
2024年9月には、2台体制での運用を開始し、多くの患者さんにロボット支援下手術が実施できる体制を整備しました。
当院での適応疾患
当院では、保険適用となるロボット支援下手術の多くに対応しており、適応疾患は以下のとおりです。
外科:食道がん、胃がん、大腸がん(結腸がん、直腸がん)、膵がん、肝がん
泌尿器科 :前立腺がん、腎がん、腎盂尿管がん、膀胱がん
産婦人科:子宮良性腫瘍、早期子宮体がん、骨盤臓器脱
呼吸器外科:肺がん
特徴
- ダヴィンチとは、内視鏡を用いた手術において、医師の手術器具の操作を支援する装置で、高画質な立体視(3D)画像により、鮮明な視野を確保しながら、ロボットアームを操作して正確かつ繊細に手術を行うものです。
- 従来の内視鏡手術に比べて、より微細な画像及び医師の手と同等以上の可動域により柔軟な動きが可能です。
- 開腹しない内視鏡下の手術であり、患者負担が小さく(低侵襲)、早期の退院が期待できます。
ロボット支援下手術とは
術者がサージョンコンソールと呼ばれるコントローラーでロボットアームを遠隔操作し、これに従ってロボットアームの先端に取り付けられた専用の手術器械(鉗子)やカメラが患者さんの体内で実際に動く仕組みになっています。また、専用の鉗子に関節があり人の手以上に屈曲・回転が可能となっているため、腹腔鏡下手術よりも精細な操作が可能となっています。


がん医療
今や「がん」は、日本人の一生において、2人に1人が患うとされており、社会の高齢化とともに増え続けると予測されています。県内どこでも、だれもが、質の高いがん医療を受けられることが、今後ますます大切になります。当院は国指定の「富山県がん診療連携拠点病院」として専門的・先進的ながん医療を提供するとともに、県内各地の「地域がん診療連携拠点病院」と連携・協力して、富山県全体のがん診療の質の向上に取り組んでいます。
患者さんが納得し安心して治療を受けられるよう、それぞれの専門職が連携した「チーム医療」に力を入れています。がん医療は、早期診断、手術、放射線治療、化学療法、緩和ケアなど多岐にわたります。経験・知識ともに豊富な各科の専門医、看護師(がん看護専門看護師、緩和ケア認定看護師、がん疼痛認定看護師、乳がん看護認定看護師、がん化学療法認定看護師など)、薬剤師(がん専門薬剤師)、放射線技師や検査技師などが、患者さんを中心に部門を超えて連携し、お一人おひとりに最適な治療を提供いたします。
診断や治療には最新の医療技術やシステムを導入して活用しているほか、通院で化学療法(抗がん剤治療)を受けられる通院治療室を充実して、患者さんの生活の質を守ることにも力を注いでいます。また緩和ケアでは病棟開設から24年を経て、研修や事例検討などの取り組みを統合し、培った経験やノウハウを今後に生かす緩和ケアセンターを設立し、いっそう質の高いケアを目指します。
がんゲノム医療連携病院となりました
当院は、平成31年4月1日付けで厚生労働省より「がんゲノム医療連携病院」として公表されました。大学病院以外では北陸で初となる連携病院であり、国立がん研究センター中央病院と連携し、がんゲノム医療を行うこととしています。
1)がんゲノム医療とは
がん細胞は正常の細胞の遺伝子が変化することによって発生します。がんゲノム医療とは患者さん本人のがん細胞の遺伝子を調べることにより、その患者さんに適した治療法を選択する医療です。
2)ゲノム医療の実際
現在行われているのは標準治療がない、あるいは行った(が効果のみられなかった)患者さんのがん組織を用いて「パネル検査」という数百の遺伝子を同時に検査する方法です。特定の遺伝子に変化がみつかり、その変化に対して効果が期待できる薬剤がある場合はその薬の使用を検討します。
3)検査の実際
パネル検査は既に手術で切除して保存してあるがん組織と患者さんの血液を用い、検体を検査会社に送付します。結果は国立がん研究センター中央病院の専門家による検討を経て当院に報告され、今後の治療法の検討やカウンセリングを当院で行うことになります。
4)パネル検査の問題点
検査結果から患者さんに適した治療薬が存在し、実際に治療につながる割合は10%程度であると考えられています。手術検体の保存状態によっては結果が得られない場合があります。また、多くの遺伝子を同時に検討するため、たまたま遺伝的にがんになりやすい体質(家族性腫瘍)であることが判明することもあります。
5)パネル検査を希望される場合
検査が可能かどうかを含め事前のカウンセリング等が必要ですので、地域連携室を介してご相談下さい。
高度急性期医療
救急医療については、ドクターヘリの基地病院、3次救急を担う救命救急センター、救命救急センターの後方病床であるECU(救急治療病棟)やHCU(高度治療病棟)を、28年度には、スーパーICU(高度集中治療センター)を立ち上げました。また、高度急性期医療の一翼を担うカテーテルを用いたステント留置など血管内手術や治療にも多くの治療経験数・実績があります。県内各医療機関と連携・協力して、高度急性期医療を実践しています。
最先端のがんを含めた高度急性期医療の新拠点。

がんを含めた高度急性期医療のさらなるレベルアップを目指し、また、大災害や新型インフルエンザの大流行(パンデミック)など緊急時の対応力を強化するため、「先端医療棟」がオープンしました。