富山県立中央病院

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緩和ケア科

概要

 医療者においてもいまだに緩和ケア=終末期というイメージがありますが、今日ではがんと診断された時からの緩和ケアが求められています。
 患者さんご家族が抱える様々な苦痛を和らげて、QOL(生活の質)を高めることが緩和ケアです。
 いつでもどこでも質の高い緩和ケアを提供するために、緩和ケア病棟、緩和ケアチーム、緩和ケア外来がありますが、それらを統合する緩和ケアセンターを新たに立ち上げました。

1.緩和ケア病棟について

 平成4年6月に開設し、既に25年たちます。この間、ベッド数も15床から25床に増えました。平成28年度の病床稼働率は81%です。開設当初は看取りまで入院される方がほとんどでしたが、症状緩和が得られて退院されるケースも増えています。また、在宅療養中、ご家族に休息していただくため、短期的に入院していただくこともできます(レスパイト入院)。
 平成28年度の新規入院は227例で、うち他院からの紹介が24例(10.6%)ありました。再入院は27例でした。退院して在宅療養に移られた方は33例(13%)でした。

2.緩和ケア病棟はどんなところ?

 がんによる心や体の痛みや苦痛を取り除くことを希望している方が入院できます。特徴として、つぎのようなことがあります。

PCUは治療よりケアを優先します。

緩和ケア科photo 当院の病棟スタッフが24時間継続した援助をおこない、行き届いたケアができるように努めています。

PCUは患者さんやご家族の方の希望を尊重します。

 特に、患者さんの意思や生活を大切に考えています。面会や家族の付添いも制限しませんし、外出や外泊も自由にできます。

PCUには、患者さんのこれまでの生活を大切にするためのくつろいでいただける設備が整っています。

 病室はすべて個室で25室あります。電話、テレビ、冷蔵庫やトイレ、ベッドにもなるソファ等があります。
 バスや電気コンロ付きのミニキッチン、和室付きの病室もあります。このほか、病棟内にはサンルーム、家族控室、面談室、寝たまま入ることができる介助浴室、共同キッチン等もあります。

サンルーム 家族控室 ベランダ
面談室 介助浴室 共同キッチン

3.病棟の理念

  • がんによる肉体的、精神的苦痛を持つ患者さんの症状緩和を目的とすること。
  • 家庭的な雰囲気の中で生活できるようにすること。
  • 患者さんのリハビリテーションの場であること。

以上の3つの基本理念に基づいて緩和ケアの実践を行っています。

4.がん相談支援センター こもれび

 中央診療棟1階1E緩和ケアセンターに併設して、がん相談支援センター“こもれび”があります。がん相談支援センターでは、がんに関わる様々なご相談に対応しています。何から話していいか分からない、誰に話していいか分からないと言う悩みや不安を話して見ませんか。お話を伺い、一緒に考え、問題や気持ちの整理のお手伝いをさせていただきます。明るくサロン風のお部屋“こもれび”で、がん専門相談員がお待ちしております。

<ご利用概要>

相談受付時間 月~金(祝日を除く)9:00~16:00
相談方法 面談
場所 がん相談支援センターこもれび
電話 076-424-1531(代)
※電話の際は「がん相談について」と申出てください。
相談担当 がん専門相談員(看護師)、認定看護師、がん看護専門看護師
※相談内容により、多職種と連携しながら相談に応じます。

<相談者>

 患者さん本人、家族など

<相談内容>

 相談内容の秘密は厳守いたします。お気軽にご相談下さい。

  • がんに関する不安、悩みなど心の問題
  • 家族や周囲との関係など
  • 療養や就労に関する事
  • 医療者とのコミュニケーションの悩み
  • こんな時他の人はどうしているのだろうか
  • 医療費について
  • 在宅療養について
  • がんの患者さんのお子さんへの支援
  • 治療を受けながら仕事の継続が可能になるための相談※1
  • 治療を受けた後、新しく仕事に就くための相談※2  など

※1 毎月第3木曜日に、富山県産業保険総合支援センターから出張相談に相談員が来られます。当院職員と相談員が協力して相談を受けます。
※2 毎月第3木曜日に、ハローワークから出張相談に相談員が来られます。当院職員と相談員が協力して相談を受けます。

がん患者さんとご家族の会について

 がん相談支援センターでは様々なサロンの開催を行なっております。1人で悩まず、心の内を自由に話し、気持ちを軽くしてみませんか。

※ピアサポーターによる患者サロン“ほのぼの”

 富山県がん総合相談支援センターで育成されたピアサポーターを中心に開催する患者サロンです。がん患者さんや家族などが、同じピア(仲間)という立場で心の悩みや体験などを語り合う“場”です。がんサロンに関心のある方々の参加をお待ちしております。

開催日時: 奇数月 第4火曜日 13:30~15:00
開催場所: がん相談支援センター“こもれび”
対象: がん患者さんやその家族(当院への入院通院は問いません)

○今年度の開催予定については案内ポスターをご参照下さい。

※がん哲学外来メディカルカフェ“ゆるり”

 緩和ケア科 竹川医師が参加し開催するサロンです。
 「がん哲学外来」とは生きることの意味を考えようとする患者さんと、がんの発生と成長に哲学的な意味を見出そうとする医師の出会いの場です。また、出会いの場という他にも、患者さんとその家族と医療者の対話の場、あるいはがんであっても笑顔を取り戻し、生きることを支援する場、そして慰めと同情の場ではなく、がんと闘う患者自身の力を引き出す場でもあります。是非、サロンにお越しください。
 (「がん哲学外来」とは開設者である樋野興夫医師牙関が得だした、南原茂の「政治哲学」と吉田富三の「がん学」を合わせた造語)

開催日時: 毎月第3水曜日 13:30~15:00
開催場所: がん相談支援センター“こもれび”
対象: がん患者さんやその家族(当院への入院通院は問いません)

 希望される方には同日、緩和ケア医師による個別相談(投薬や注射などの医療行為はありません)も受けています。お一人30分の予約制ですので希望される方は、がん相談支援センターまでお問い合わせください。

※こもれび教室

 “がんについて学ぼう”などをテーマに、毎回様々な角度から一緒に学びたいと思います。講師は当院医師や認定看護師、その他医療スタッフ、外部講師などを招き、実施いたします。是非ご参加下さい。

開催日時: 毎月第4火曜日 13:30~14:10
開催場所: 中央診療棟B会議室
対象: 当院への入院通院は問いません。興味のある方はどなたでも参加できます。

 「こもれび教室」の案内については案内ポスターをご参照ください。

※アピアランスケア教室

 抗がん剤をはじめとする薬物療法の副作用による外見の変化(脱毛、爪、皮膚の変化など)外科治療による創(きず)の変化などがもたらす患者さんのストレスを軽減するため、それぞれの「気になっていること」を伺いながら、相談にのっています。お気軽にご参加ください。
 

開催日時: 毎月第1水曜日 13:30~15:00
開催場所: がん相談支援センター“こもれび”
対象: がん患者さんやその家族(当院への入院通院は問いません)

診療担当表

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前1診 竹川 竹川 竹川 竹川
  2診

医師紹介

医師名・職位 専門分野 資格など
部長
竹川 茂
(たけがわ しげる)
緩和ケア
消化器外科
日本外科学会認定医・専門医
日本消化器外科学会認定医・専門医・指導医
日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
日本消化器病学会専門医
日本大腸肛門病学会専門医・指導医
日本がん治療認定医機構暫定教育医・がん治療認定医
厚生労働省医政局緩和ケアの基本教育に関する指導者研修会修了者
日本サイコオンコロジー学会がん治療に携わる医師に対するコミュニケーション技術研修会修了者
日本サイコオンコロジー学会CSTファシリテーター養成講習会修了者
医長 峠正義 部長
峠 正義
(とうげ まさよし)
緩和ケア
呼吸器外科
日本外科学会専門医
日本呼吸器外科学会専門医
日本呼吸器内視鏡学会専門医・指導医
緩和ケアの基本教育に関する指導者研修会修了者
がん治療に携わる医師に対するコミュニケーション技術研修会修了者
日本緩和医療学会認定医
医学博士
医長 吉田仁 医長
吉田 仁
(よしだ ひとし)
部長 酒井明人 医長
酒井 明人
(さかい あきと)
部長 加治正英 医長
加治 正英
(かじ まさひで)

治療について

1.緩和ケア病棟での治療について

 手術や抗がん剤治療といったがんに対する積極的治療ではなく、痛みや呼吸困難、不安や気持ちの辛さといったがんに伴う苦痛症状を和らげる治療やケアを行います。

入院について

 現在、他の医療機関にかかっている方は、主治医に紹介状を書いてもらい、地域連携室を通して緩和ケア外来の予約をしてください。緩和ケア外来は毎週月~金曜日の午前中です。ご本人が来院できない場合はご家族だけの来院でも構いません。外来で診察・面談した後、病棟の見学もしていただき、入院予約となります。

主治医について

 現在当院に入院中の方は、主治医はそのまま継続します。外来通院中の方も、その科の医師が主治医となります。他の医療機関から紹介されて入院される方は、緩和ケア専任医が主治医となります。

退院について

 苦痛症状が緩和され、退院が可能となれば十分な準備をしたうえで退院していただきます。年々少しずつではありますが、退院される方が増えています。

2.緩和ケア病棟の入棟基準について

1.悪性腫瘍または後天性免疫不全症候群に伴う諸症状の緩和を必要とすること。
2.患者さん及びその家族が緩和ケア病棟への入棟を希望し、その理解と協力が得られると認められること。
3.主治医が必要と認めること。
以上の条件を満たす方はどなたでも入院できます。

3.看護について

 入棟されたら、まず苦痛症状の緩和を目指します。

看護の目標

A.疼痛を主とする症状の緩和を図ります。
 その人らしい生を全うしてもらうためには、痛みや苦痛症状のコントロールはとても大切なことです。
B.日常生活の充実に努めます。
 食事、排泄、睡眠、環境面などで患者さんの希望に合わせてできる限りの配慮に努め、生活の質の向上を目指します。
自主性を尊重しながら、その人らしく健康時に近い生活(外出、外泊、面会、入浴、出社、旅行、結婚式など)を送っていただきたいと考えています。また自然に接し、自然との対話を持つことは、気分転換の妙薬となります。(サンルームから眺める空や緑、立山連峰など)
C.精神的なサポートに努めています。
 患者さんが何を望み何を必要としているかを理解できるよう、患者さんの声に耳を傾けることは大切です。患者さんの悩みや不安に思う心の訴えに耳を傾け、あたたかい思いやりの心で患者さんの支えになれるようケアにあたっています。
D.家族ケアに努めています。
 患者さんを支えるのは家族と医療者ですが、家族の方を支えるのは私ども医療チームの役割と考えています。ご家族の方の悩みや相談にも耳を傾けています。ケアに対する要望は遠慮なく申し出てください。

癒しのケアでのティータイムE.癒しのケアについて・ボランティアについて
 癒しのケアでは、週に3回ティータイムを催しています。その他に、月に1回程度、季節にあった行事、音楽会などの催しを行っています。ご家族と過ごす大切な時間は生きがいとなり、思い出作りの機会にもなるかと思います。これらの取り組みはすべて、ボランティアの方々の協力で成り立っています。緩和ケアでは、ボランティアの関わりはとても重要です。病棟ではボランティアも募集しています。
遺族会として「ひまわりの会」を年4回開催しています。

緩和ケアチーム概要

緩和ケアチームとは

 緩和ケアは緩和ケア病棟だけで行われるものではなく、がんと診断された時から必要に応じて提供されなければなりません。一般病棟や外来においても、がん自体による痛みなどの症状や、治療に伴う症状、あるいは病気や治療によって生じた不安や気持ちの辛さといった精神症状を緩和することはがんの治療を行ううえで欠かせません。というより、がん診療の一部となりつつあります。
主治医や担当看護師の依頼を受けてチームが関わり、患者さんやご家族の心身両面のサポートをします。
現在チームのメンバーは医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、作業療法士、臨床心理士併せて15名ほどです。
 主として入院中の患者さんを対象に、症状コントロールに難渋しているケースで依頼があった場合に介入していますが、外来でも緩和ケアチームが対応いたします。
最近ではかなり症状が進行した症例でも在宅療養に移行するケースが増えていますが、年2回「在宅緩和ケア懇話会」を開催して、在宅移行例を病院側と在宅側の担当者に報告していただく事例検討やグループワークを通して、知識や技術を学び、連携を深めるという取り組みもしています。

緩和ケア外来概要

診察日

月~金曜日の午前9時~予約制(地域枠は10:30~)
院外から紹介される場合は、地域連携室を通して予約をお願いします。
ご本人の来院が無理ならご家族だけの受診でも構いません。

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