富山県立中央病院

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卒後臨床研修評価機構 (JCEP)認定

日本医療機能評価機構認定証

内分泌・代謝内科

 

概要

主な内分泌臓器 生体は種々の作用を持つホルモンが調和して、生体の恒常性を保ち維持しています。この機能が内分泌・代謝であり、当科ではこのような内分泌臓器の機能異常に基づく疾患を診療しています。生体の中枢である間脳・下垂体の疾患の診断やホルモン補充療法、バセドウ病など甲状腺機能異常の診断・治療、甲状腺腫瘍の診断、副甲状腺疾患、クッシング症候群、褐色細胞腫、原発性アルドステロン症など副腎腫瘍の診断などを行っています。
 代謝疾患の代表である糖尿病、脂質異常症、メタボリック症候群などの生活習慣病に対しては、様々な職種とのチームを組んで治療・指導にあたりすぐれた効果をあげています。またさまざまな診療科に入院され治療を受けられる糖尿病の方に対しても糖尿病専門医、日本糖尿病療養指導士、糖尿病認定看護師、その他専門スタッフが携わる「糖尿病チーム医療」が血糖や栄養管理をサポートし最高の治療結果が得られるように努めています。

1.内分泌疾患の診断

 内分泌・代謝専門医の見地から、糖尿病、高血圧、肥満に潜む内分泌疾患を診断します。糖尿病の原因となり得る代表的な内分泌疾患として、副腎腫瘍であるサブクリニカルクッシング症候群、褐色細胞腫や原発性アルドステロン症、下垂体腫瘍である先端巨大症などがあります。血清ナトリウムやカリウムなどの電解質の異常値からアジソン病、副甲状腺疾患などを診断します。口渇症状がきっかけとなり、リンパ球性下垂体後葉炎などの種々の内分泌疾患の診断に至ることもあります。下垂体腫瘍、副腎腫瘍などの腫瘍性疾患は各外科系との連携により迅速な手術へと繋げています。

2.甲状腺疾患診療の充実

 甲状腺疾患は、バセドウ病や甲状腺機能低下症などの治療を行っています。若年女性のバセドウ病は、母体、胎児、新生児の健康に関連があり特に慎重に診療を行う必要があります。甲状腺内部の結節に対しては甲状腺腫瘍診療ガイドライン2018に従って、エコーガイド下甲状腺穿刺吸引細胞診を行っています。

3.高品質な糖尿病チーム医療

 糖尿病腎症や網膜症、心筋梗塞などの合併症併発患者さんが後を絶たない現実を真摯にとらえ、チーム医療による患者指導を最も重視し、8日間の糖尿病治療入院(糖尿病教育入院)を行っています。患者一人一人の個性と向き合い、病態に沿った適切な治療法を提案しています。
 さらに、各診療科に入院する糖尿病患者さんに対し「糖尿病チーム医療委員会」が中心となり、できる限り適切に、安全に、効率的に血糖管理・指導が可能となるようにさまざまな活動を行っています。

4.地域における生活習慣病予防対策への参画

 富山県の中核病院という立場から、地域における保健指導力のレベルアップと情報交換を目的に、各種勉強会に参画し、富山県全体の保健、福祉、医療の連携に貢献しています。当院が目指している糖尿病医療連携は、「オールインワンシステム」として広く知られるようになりました(右図)。日本内分泌学会内分泌代謝科認定教育施設、日本糖尿病学会認定教育施設として、日本の医療の流れを見据え、疾患の早期発見と健康寿命の延長に努力して参ります。

当院「糖尿病チーム医療」の概要はこちらをクリックしてください。(PDF:5.7MB)

関連リンク
糖尿病教室在宅療養支援室四ツ葉会

診療担当表

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
初診
内科(2F)再診1 船﨑 船﨑 本江
(一般)
吉澤 吉澤
内科(2F)再診2 菊島 菊島 船崎 本江 本江

医師紹介

医師名・職位 専門分野 資格
部長
吉澤 都
(よしざわ みやこ)
糖尿病、内分泌疾患 日本内科学会認定内科医、総合内科専門医
日本糖尿病学会認定糖尿病専門医、指導医、評議員、腎症重症化予防担当医
日本内分泌学会認定内分泌専門医、指導医、評議員
副医長
本江 駿人
(ほんごう はやと)
副医長
船﨑 友馨
(ふなさき ゆうか)
糖尿病
肥満症
脂質異常症
各種内分泌疾患
内科学会
内科専門医
医員
菊島 明浩
(きくしま あきひろ)

治療について

1.内分泌系の疾患

 内分泌・代謝疾患とは、「ホルモンの乱れに起因する病気」の総称です。
内分泌領域では甲状腺、副甲状腺、下垂体、副腎などの病気が、代謝領域では糖尿病、高脂血症、痛風、肥満症などの生活習慣病が対象疾患となります。

主な対象疾患
1.甲状腺の病気
甲状腺中毒症、バセドウ病、甲状腺機能低下症、橋本病、甲状腺腫瘍など
2.下垂体の病気
下垂体機能低下症、尿崩症、先端巨大症、クッシング病など
3.副腎の病気
クッシング症候群、褐色細胞腫、副腎の腫瘍、原発性アルドステロン症、先天性副腎過形成、アジソン病、副腎不全など
4.副甲状腺の病気
副甲状腺機能亢進症、機能低下症、副甲状腺腫瘍など

2.代謝系の疾患

1.糖尿病
1型糖尿病、2型糖尿病、若年発症糖尿病、妊娠糖尿病など
2.脂質異常症、家族性高コレステロール血症
3.肥満症、メタボリック症候群
4.痛風

3.糖尿病患者さんの診療コースのご案内

 当院は日本糖尿病療養指導士の資格を有する専門スタッフをはじめとして糖尿病に精通したスタッフがチームを組んで患者さまの管理、指導にあたります。
 糖尿病患者さんの自己管理のための効果的な教育プログラムの充実に力を入れており、糖尿病医療チームにより入院~外来~病診連携と一貫した指導を目指し実行しています。

1)教育入院(8日間コース)

 糖尿病初発の方、教育入院経験のない方、良好な血糖コントロールの維持が難しい方、その他かかりつけ医からのご紹介の方が対象となります。
 合併症の精密検査、治療とともに自己管理法を基本から学んでいただくコースです。

2)糖尿病短期チェック外来

 かかりつけ医に通院されている方を対象に、ご紹介により通院していただき、合併症の検査を外来で行いながら自己管理のための学習をしていただくコースです。内科外来生活習慣病指導室の日本糖尿病療養指導士がご案内の上、適切に指導します。糖尿病教室、栄養相談などの指導が組み込まれています。血糖コントロールが安定している方でも年1回の合併症の評価のため、より多くの方がご利用されています。

4.糖尿病に対する主な診療内容

A.病態把握のための検査

血糖コントロール、インスリン分泌、インスリン抵抗性などの検査
CGM(持続血糖モニター)による血糖検査

B.合併症検査

網膜症、腎症、神経症、動脈硬化症、脂肪肝などの検査

C.治療薬の適正使用

経口血糖降下剤、インスリン自己注射、合併症の薬等の検討と処方
1型糖尿病に対するインスリンポンプ療法(CSII)

D.自己管理学習

DVD学習、血糖自己測定、食事ノート記録(食品交換表に沿って)

E.集団指導

糖尿病教室参加、病棟での各職種によるミニ講義(医師、栄養士、薬剤師、検査技師、日本糖尿病療養指導士、看護師)

F.個別指導

栄養士による栄養指導、薬剤師による薬物指導、日本糖尿病療養指導士による生活指導

G.その他

糖尿病友の会「四ツ葉会」のご案内、雑誌「さかえ」のご紹介など

関連リンク
糖尿病教室在宅療養支援室四ツ葉会

5.病診連携について

 糖尿病は重症化予防が重要です。糖尿病の放置、治療中断、管理不良などのために、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経症、下肢壊疽、動脈硬化進行による急性心筋梗塞や脳梗塞などにより富山県下の医療機関より当院各診療科に入院される患者さまは依然増加の一途を辿っております。 また、そのような方は感染や心臓等の血管合併症のリスクが高いため、急性期治療をすぐには受けられないこともよくあります。
 また内分泌疾患が糖尿病や高血圧の日常診療に長期間隠れている場合もあります。私どもは内分泌領域の専門医としてこのような患者さまが富山県から少しでも少なくなるようにと願い自覚を持って診療にあたりたいと思っております。
 また、逆に専門医だけの診療では健康診断やきめ細やかな対症療法は不得手です。患者さまが健康を維持していただくには私どもがご開業の先生方と連携し役割分担して診療する必要があります。
 当部門の診療体制にご理解いただき患者様さま、ご開業の先生方と連携を密にしながら合併症を発症、進行させることなく管理させていただく糖尿病フォローアップ外来を整えております。

1.当院での診療

 病態の診断、合併症の検査、治療、その他の疾患の検査、自己管理のための定期的指導(年に1回から2回のチェックなど)、重症疾患併発時の緊急対応、入院など

2.かかりつけ医での診療

 病状が安定した患者さんの定期検査、処方、一般健康診断、他疾患併発時(感冒、胃腸炎など)の治療、在宅支援システムの利用、定期的(年に1回から2回)に当院に紹介、重症疾患併発時の緊急対応(当院への緊急連絡など)

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