リハビリテーション科
概要
リハビリテーション科は、診療部に属し、理学療法部門、作業療法部門、言語療法部門、および診療部より成り立っています。
施設基準は、脳血管疾患等リハビリテーション(Ⅰ)、運動器リハビリテーション(Ⅰ)、呼吸器リハビリテーション(Ⅰ)、心大血管リハビリテーション(Ⅰ)、廃用症候群リハビリテーション(Ⅰ)、がん患者リハビリテーションです。
各科入院の大部分は急性期治療ないし手術が目的であり、当科は次期のリハ医療(回復期リハ、地域リハ)に、より良い機能・能力でつなげるべく、以下の役割を担っております。
・ベッドサイドより早期アプローチの充実
・地域医療連携室との連携(脳卒中・大腿骨頚部骨折地域連携パスなど)
脳卒中・神経疾患・骨折・人工関節置換術・手の外科・循環器疾患・呼吸器疾患など、あらゆる診療科に対応しており急性期からリハビリを開始します。
診療担当表
現在、診療担当表は公開されていません。
医師紹介
医師名・職位 | 専門分野 | 資格 | |
---|---|---|---|
部長 丸箸 兆延 (まるはし よしのぶ) |
関節外科 スポーツ整形外科 |
医学博士 日本整形外科学専門医 日本体育協会公認スポーツドクター 日本整形外科スポーツ医学会代議員 |
|
医長 石原 彩子 (いしはら あやこ) |
リハビリスタッフについて(令和5年7月現在)
スタッフ
理学療法士 | 18名 |
作業療法士 | 5名 |
言語聴覚士 | 3名 |
認定等
心臓リハビリテーション指導士 | 3名 |
3学会合同 呼吸療法認定理学療法士 | 2名 |
認定理学療法士(呼吸) | 1名 |
認定理学療法士(脳卒中) | 2名 |
専門理学療法士(教育管理) | 1名 |
ACLSプロバイダー | 1名 |
がんリハビリテーション研修終了者 | 22名 |
リンパ浮腫複合的治療料実技研修会認定 | 1名 |
日本DMAT隊員 | 1名 |
住環境福祉コーディネーター | 1名 |
治療について
1.理学療法(PT:Physical Therapy)
理学療法とは、体に障害のある人や、障害の発生が予測される人に対し、基本動作能力の回復や維持、障害の予防のために、運動療法や、日常生活動作練習などを行うことです。
当院では、脳血管障害、骨折、関節症、神経筋疾患、その他あらゆる疾患、あらゆる診療科に対応しています。患者さんが1日でも早く社会復帰・家庭復帰出来るように援助します。
(1)運動療法
筋肉、関節可動域、バランス練習、痛みの改善(回復)などを通じて、日常生活動作(起きる、座る、立つなど)・歩行などの運動能力を高めます。
(2)日常生活動作練習
日常生活で行っている、座る、立つ、歩くといった起居/移動動作や食事・排泄・入浴等の身の回り動作をスムーズに行えるように、必要な動作の助言、指導、練習などを行い支援します。
2.作業療法(OT:Occupational Therapy)
作業療法とは病気や事故で身体障害をおった方や心に障害を持った方に対して作業活動を用いて身体的・心理的に機能回復を促し、また、残された機能を最大限に活用し、家庭・社会に復帰できるように指導・援助を行うことです。
当院の作業療法では、様々な疾患(脳血管障害、神経筋疾患、骨折、手の外傷、頚椎症など)の方々に対して急性期より治療・指導を行っています。
(1)上肢機能回復練習
低周波などを利用した痛みの軽減、リラクゼーション、筋への刺激を促すことで、関節可動域、筋力等の維持・改善をはかります。また、手工芸や巧緻動作の練習などにより基本的な上肢機能を高めます。
(2)日常生活動作練習
日常生活動作(食事、更衣、排泄、整容、移動)、家事動作、その他職業関連動作、手工芸などの練習を行います。また、自助具や動作の環境調整についても検討・提案します。
3.言語聴覚療法(ST:Speech Therapy)
言語聴覚療法とは、ことばによるコミュニケーションや食事の飲み込みに障害があると診断された方に対して各機能の改善を促す練習、残存機能を利用した日常生活および社会生活を営むための指導や助言などの支援を行うことです。当院では、主に成人の言語障害(失語症、運動障害性構音障害など)、摂食嚥下機能障害を対象としています。
(1)失語症
事故や脳血管障害など様々な理由で左大脳半球にある言語機能の中枢が障害され「聴く」、「話す」、「読む」、「書く」といったコミュニケーション全般において何らかの支障がある状態。
・絵カードや文字カードなどを用いて練習を行います。
(2)運動障害性構音障害
発声発語に関わる神経や筋肉の病変のため構音器官が適切に作動できなくなるために正確な言語音が得られない状態。
・口の体操や発声・発語などを中心に練習を行います。
(3)摂食嚥下障害
食事や水分などを飲み込む前の準備段階を含め「口から食べられない」ことを摂食障害とよびます。嚥下障害は「飲み込むこと」が障害されたことを指します。
・口の中を刺激したり、実際に食物を用いて飲み込みの練習をします。食事時の姿勢や食物の形態など食事環境の調整なども行います。
特色
1.心臓リハビリテーションの実施
平成21年度より心筋梗塞、狭心症や心不全、心臓血管外科手術後の方を対象に心臓のリハビリテーションを実施しています。心臓リハビリテーション指導士の認定を受けた理学療法士と専任の看護師が専門医師のもと、運動による治療(運動療法)を行っています。また、栄養や薬物管理を含めた生活指導を実施して早期社会復帰、再発の予防に取り組んでいます。
また、平成30年10月より一部外来患者のリハビリテーションも開始しています。
2.がんリハビリテーション
平成27年度より、がん患者リハビリテーション料の算定を開始しています。算定可能なリハビリスタッフの数は、令和5年度現在、PT18名、OT5名、ST3名であり県内でも有数となっています。
がんそのもの、もしくはがんの治療による機能低下に対して、予防的、回復的、維持的、緩和的とがんリハビリテーションの介入は多岐にわたります。当院においても、多種多様な疾患の、手術後、血液腫瘍による移植前後、化学療法前後、緩和ケア病棟入院中など、患者さんの病期や目的にあわせたリハビリテーションを提供しています。 乳がん術後(リンパ郭清を実施された方)で退院時に肩関節の運動制限を呈している方について、一部外来での自主練習指導を行っています。
3.ICUチームを立ち上げ早期からの介入
平成30年4月よりICUチームを立ち上げ、理学療法士が参加し活動しています。当院では早期からのリハビリ介入を積極的に行っています。
4.NICU・GCUでの介入
当院は平成8年10月に総合周産期母子医療センターの認定を受けました。
当科では、新生児期からハイリスク因子を持つ赤ちゃんに対して精神・運動発達支援を目的にリハビリテーションを実施しています。対象は脳疾患、新生児仮死、先天性疾患などです。
また、入院中より退院に向けての支援(姿勢保持の検討、自宅環境整備、地域サポートの調整など)について地域連携室と連携をとりながら行っています。
5.人工関節置換術を施行される方への支援
令和元年より人工膝関節、人工股関節置換術を施行される場合は、術前指導、術後(退院後)指導を整形診察にあわせ実施しています。術前の不安を和らげ術後のリハビリテーションについて理解していただくとともに、退院後の自己管理へつながるよう支援しています。
5.地域支援活動
当院では、心臓病教室(年3回)、肝臓病教室(年4回)、緩和ケアイベント(年2回)において、他職種とともに理学療法士、作業療法士が参加して運動に関する支援を行っています。
業績
2023年度実績を参照下さい。