富山県立中央病院

文字の
サイズ

  • 文字を大きくする
  • 文字を小さくする

麻酔科

概要

麻酔科photo
 麻酔科は、現在15名の常勤麻酔科医師に富山大学および新潟大学歯学部歯科麻酔科からの応援を仰ぎ、日々の診療を行っています。麻酔科といえば手術中だけが仕事と思われがちですが、手術患者さんの麻酔前診察から術中管理、そして術後管理までの周術期に患者さんを守っています。
さらにペインクリニック外来では、急性の痛みから慢性の痛み(慢性難治性疼痛)、花粉症や顔面神経麻痺など神経ブロックが適応となる非疼痛疾患の診療も行っています。

1.2016年9月の先端医療棟オープンに伴い、2017年4月からは4階中央手術部はハイブリッド手術室を含む15室の低侵襲手術室として生まれ変わりました。当院では年間7,000例以上の手術が行われており、そのうち麻酔科管理症例は2017年5,159例、2018年4,934例、2019年4,398例と全手術症例の半数以上に麻酔科が係わっています。近年の高齢化に伴い、糖尿病・高血圧・狭心症・心筋梗塞・脳梗塞・慢性腎臓病などの合併症を有する患者さんが増加し、より細やかな周術期患者管理が要求されています。当院でも、経食道心エコー装置、BISモニタ(脳波診断装置)、低侵襲血行動態モニタなどのME機器を活用しています。また、術後鎮痛の方法として硬膜外もしくは静脈内PCA(患者自己調節鎮痛)装置に加えて、腕神経叢ブロック、大腿神経ブロック、腹横筋膜面ブロックなどのエコーガイド下末梢神経ブロックも積極的に併用して、より安全で良質な周術期管理に努めています。

2.ペインクリニック外来は現在2名の担当医師により月、火、水、および金曜日の週4日、午前中に診療を行っています。初診患者数は年間80人前後です。対象疾患は本ホームページ内の麻酔科→お知らせ→Q3:どんな病気の時に麻酔科(ペインクリニック)外来を受診すれば良いのですか?をご覧下さい。また疾患によっては、皮膚科、精神科、脳神経内科、整形外科とも連携を取って治療に当たらせていただきます。また、2019年より「富山県痛み診療ネットワーク」の連携施設として、富山大学附属病院の富山県痛みセンターと協力しながら慢性難治性疼痛の治療も積極的に行っています。

診療担当表

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
1診   吉田 吉田   青山
2診          

1診はペインクリニック外来 
ペインクリニック初診は火、水、金
2診は麻酔前診察(診察医は不定)

医師紹介

医師名・職位 専門分野 資格など
部長 吉田仁 部長
吉田 仁
(よしだ ひとし)
麻酔一般
ペインクリニック(頚椎・腰椎性疼痛)
日本麻酔科学会指導医
日本専門医機構認定麻酔科専門医
日本ペインクリニック学会専門医
富山大学医学部臨床教授
医長 荒井理歩 部長
荒井 理歩
(あらい りほ)
麻酔全般 日本麻酔科学会指導医
日本小児麻酔学会認定医
副医長 大石博史 医長
大石 博史
(おおいし ひろふみ)
麻酔一般 日本麻酔科学会指導医
日本心臓血管麻酔学会専門医
日本小児麻酔学会認定医
医長
長岡 治美
(ながおか はるみ)
麻酔一般 日本麻酔科学会指導医
日本小児麻酔学会認定医
医長
青山 実
(あおやま みのる)
副医長 宇佐美潤 医長
宇佐美 潤
(うさみ じゅん)
麻酔一般 日本麻酔学会専門医
医長
長崎 晶美
(ながさき あきみ)
麻酔一般 日本麻酔科学会専門医
日本区域麻酔学会認定医
医師 那須倫範 医長
那須 倫範
(なす みちのり)
麻酔一般 日本麻酔学会専門医
副医長
寺崎 敏治
(てらさき としはる)
麻酔一般 日本麻酔科学会認定医
日本内科学会認定内科医
自治医科大学臨床助教(地域担当)
副医長
立花 怜
(たちばな りょう)
副医長
牛尾 和弘
(うしお かずひろ)
麻酔一般 ACLSプロバイダー
麻酔科認定医
麻酔科専門医
医員
榎本 洸
(えのもと ひろし)
医員
青木 大輔
(あおき だいすけ)
麻酔科標榜医
医師
小川 浩平
(おがわ こうへい)
医師
松井 望
(まつい のぞみ)

治療について

1.帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛

 帯状疱疹は、幼児期に罹患した水痘・帯状疱疹ウイルスが神経細胞に潜伏し、加齢や免疫能の低下により再活性化し神経に炎症を起こす病気です。炎症により障害を受けた神経細胞に一致した皮膚分節に沿って、皮膚に発赤、腫脹、皮疹(水疱)が生じ、知覚障害とまれに運動麻痺をきたします。
 通常は、初期治療(多くは皮膚科で治療されます)により2~4週間で水疱はかさぶたとなり、軽度の色素沈着を残して治ります。しかしながら、皮疹が消失した後も痛みが残った状態を帯状疱疹後神経痛と呼んでいます。
 帯状疱疹後神経痛に対する当院麻酔科(ペインクリニック科)の治療について、日本ペインクリニック学会の指針も交えて説明します。

  • 帯状疱疹後神経痛に特異的な治療法はなく、症状の緩和が主体となります。
  • 神経ブロックの有効性は証明されておらず補助的な治療となりますが、最近いくつかの神経ブロックの有効性も報告されています。
  • 治療の主体は内服薬となり、日本ペインクリニック学会のガイドラインでは、プレガバリン、三環系抗うつ薬、ノイロトロピン、オピオイド鎮痛薬が推奨されています。また、2019年にはミオガバリンも承認され、SNRIであるデュロキセチンも適応外ですが有効性が示されています。
  • その他、帯状疱疹後神経痛は保温により痛みが緩和すると言われています。お風呂にゆっくり入る、下着の上から使い捨てカイロを当てるなどを試してみましょう。また、衣類が擦れて痛い時は密着する下着を着けるなどの生活上の工夫をしてみましょう。いずれにせよ、あまり痛みにとらわれず積極的に行動して、何かに熱中して痛みを忘れる時間を多く作って下さい。慢性痛なので、痛みと上手に付き合って行くように心がけることが大切です。

2.癌性疼痛

 1986年にWHO(世界保健機関)が先進諸国の鎮痛方法のノウハウを集約して作成したWHO式癌疼痛治療法を発表して以来、癌性疼痛で苦しむ患者さんは年々少なくなってきています。この方法は、鎮痛薬として、非麻薬性鎮痛薬、弱麻薬性鎮痛薬、強麻薬性鎮痛薬を痛みの程度に合わせて段階的に調節して使用する方法です。また、鎮痛薬以外にも鎮痛補助薬として抗うつ薬、抗けいれん薬、向精神薬、ステロイド等も併用します。さらには神経ブロック療法、放射線治療、理学療法、心理療法などを組み合わせて疼痛治療を行います。
 当院では癌性疼痛の治療は主として緩和ケアセンター部で行っていますが、麻酔科(ペインクリニック科)では、神経ブロック療法により治療のお手伝いをさせていただいています。癌性疼痛は、広範囲で、さまざまな要因がからみ合い複雑な痛みの形を呈することが多いため、神経ブロックのみで完全に除痛することは困難ですが、併用することにより鎮痛薬の量を減らすことは可能です。神経ブロック療法としては、内臓神経ブロック(腹腔神経叢ブロック)、くも膜下ブロック、硬膜外ブロック、などがあります.癌性疼痛に対する神経ブロックでは、局所麻酔薬ではなく神経破壊薬を用いることが多く、ブロックによっては、痛みをとると同時に運動神経麻痺も生じることがあります。したがって、痛みの部位や性状など患者さんとよく相談してブロックの適応を決定しています。
 癌性疼痛についてもっと詳しく知りたい場合は、当院緩和ケアセンター部のホームページを御覧ください。

ページトップに戻る