皮膚科
概要
皮膚科の扱う疾患は炎症、感染症、腫瘍、遺伝性疾患、アレルギー性疾患、代謝 性疾患、膠原病、薬疹、血行障害など多岐にわたっているのが特徴です。
ダーモスコピーや皮膚生検を積極的に行い専門性の高い診断と光線療法、手術 療法など疾患に応じた様々な治療を提供しています。
また、院内での褥瘡対策として看護師、管理栄養士、理学療法士などと連携し回診や研修会を行い予防に努めています。
当院の皮膚科では皮膚疾患全般について質の高い医療を提供することを目標にスタッフ全員で努力しています。なかでも皮膚腫瘍に関してはがん拠点病院としての特性を活かし外来化学療法や,放射線療法,γプローブを用いたセンチネルリンパ節生検、 遺伝子解析など高度な診療を行う体制を整えており、例年600件を超える腫瘍摘出術および皮膚生検を施行しています。高齢者 のがん患者には QOL に配慮した日帰り手術も積極的に行っています。
乾癬などの皮膚疾患に対しては全身型の UVA およびナローバンド UVB、ターゲット型エキシマライトの照射装置を用いた光線療法の他に、重症の乾癬やアトピー性皮膚炎には生物学的製剤を用いた治療も可能で、開業医との病診連携も積極的に行っています。その他入院の必要な皮膚疾患ではクリニカルパスを利用することで入院期間の短縮と地域の医療機関との連携を図っています。
診療面のアピール
当院の皮膚科は皮膚疾患全般について質の高い医療を提供していますが、特に皮膚がんと下肢静脈瘤の治療に力を入れています。また、全国の大学や病院と連携して新しい治療法の開発のための臨床試験や臨床治験も積極的に行っています。
(1)皮膚がん
皮膚がんと呼ばれるものの中には「ほくろのがん」として知られる悪性黒色腫や、基底細胞癌、有棘細胞癌、ボーエン病、乳房外パジェット病など症状や予後の異なるものが多数含まれています。この中で最も患者数の多いのは基底細胞癌ですが、これは転移しないのが特徴ですので命に関わることはありません。それぞれのがんの特徴に応じた適切な治療を行うためには、皮膚科専門医による正確な診断が重要です。当科には皮膚がんの専門医が2名おり、診断から治療まで患者さんの症状に応じた適切な診療を行っています。最近では悪性黒色腫の新薬である免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬による治療例が増えています。
(2)下肢静脈瘤
心臓から供給された血液は静脈を通って足の先端から心臓まで還ってきます。重力に逆らって下から上に流れるシステムが加齢などの影響でうまくいかなくなると静脈に血液が停滞して瘤のように盛り上がってくることがあり、これを静脈瘤といいます。血液の流れが滞ると血栓といって血液の塊が血管を閉塞することがあり、いろいろな症状を引き起こすことがあり、注意が必要です。治療法として傷んだ静脈を除去する方法(静脈抜去術)、静脈を縛って流れなくする方法(高位結紮術)、注射で静脈を閉塞させてしまう方法(硬化療法)などがありますが、当科ではカテーテルで血管の中から治療する高周波治療機器を用いた血管内焼灼療法を中心に、患者さんの症状に応じて他の方法を組み合わせて治療しています。
当院皮膚科で対応可能な治療・検査(代表的なもの)
ダーモスコピー検査、センチネルリンパ節生検、下肢静脈瘤静脈抜去術、高位結紮術、硬化療法、下肢静脈瘤血管内焼灼術、ボトックスによる多汗症治療、紫外線療法(PUVA、NB-UVB、エキシマ)、パッチテスト(金属、パネル)、プリックテスト、食物負荷試験、悪性黒色腫に対する免疫チェックポイント阻害薬、分子標的薬治療、乾癬・アトピー性皮膚炎・円形脱毛症・化膿性汗腺炎・蕁麻疹に対する生物学的製剤治療、円形脱毛症に対するステロイドパルス療法、SADBE外用療法、尋常性白斑に対する点状皮膚移植術、隆起性皮膚線維肉腫の遺伝子診断、Qスイッチルビーレーザー治療
診療担当表
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | ||
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午前 | 1診 | 八田 | 八田 | 八田 | 八田 | 八田 |
2診 | 石井 | 石井 | 石井 | 石井 | 木田 | |
3診 | 木田 | 木村 | 木村 | 木村 | 木村 | |
午後 | 八田 | 石井 | ||||
石井 | 木村 | |||||
木村 |
初診は午前のみ
手術日…火、水、木の午後
パッチテスト 月、火の午後
月、木の八田は、病棟回診のため10:00から
医師紹介
医師名・職位 | 専門分野 | 資格 | |
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医療局長・部長 八田 尚人 (はった なおひと) |
皮膚癌 皮膚外科 遺伝性疾患 |
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 皮膚悪性腫瘍指導専門医 臨床遺伝専門医 遺伝性腫瘍指導医 |
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部長 石井 貴之 (いしい たかゆき) |
皮膚外科 レーザー 下肢静脈瘤 |
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 皮膚悪性腫瘍指導専門医 |
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医師 木村 亜里紗 (きむら ありさ) |
皮膚科一般 |
診療について
1.皮膚がん検診のすすめ
胃がんや子宮がんには神経質な皆さんも、皮膚がんには意外に無頓着ではありませんか?皮膚がんには多くの種類があり、その症状も色々です。以下のような症状のある方は一度受診してください。疑わしい病変を早期に発見して治療することがとても大切です。
・若いころのやけどや放射線治療のあとのひきつれに傷ができてなかなか治らない。または最近ひきつれの一部が盛り上がってきた。
・顔に小さい傷ができて、なかなか治らない。
・顔にほくろとは違う小さな黒いできものができてきた。
・頭をぶつけたあとに紫色のしみのようなものができてきた。
・外陰部に痒い湿疹があり、治療しているが、なかなかよくならない。
・足の裏に7ミリ以上の大きさの黒いしみがある。
・手や足の爪に黒い線があり、徐々に幅が広くなってきた。
・手足の爪の下にできものができて、爪が割れてきた。
・からだや四肢に数cmの大きさの赤い湿疹のようなものがある。
Qスイッチレーザー照射装置が更新されました。
2015年12月にQスイッチレーザー照射装置が更新されました。対象となる疾患は太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性異物沈着症(外傷性刺青)、扁平母斑(カフェオレ斑)で、青色?茶色のあざとなります。(ダイレーザーやCO2レーザーによる治療は行っていません)
下肢静脈瘤血管内高周波治療装置が導入されました。
2018年4月に下肢静脈瘤を切らずに治療することが可能な血管内治療をを行う機器が導入され、治療を開始いたしました。