富山県立中央病院

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お知らせ

耳鼻いんこう科-Q&A

2016/03/22

Q1.耳鳴りはなおりますか。

A.耳鳴りとは実際に音は入ってこないのに,耳の中で音がする状態です。人によって,ブーンという低い音だったり,キーンという高い音だったり様々です。原因はまだ十分に解明されていませんが,外耳から脳までの聞こえの経路の種々の障害によって起こるとされています。主には,音を感じる蝸牛内で勝手に電気信号が発生した状態です。従って内耳が炎症(細菌,ウィルス)や循環障害,内リンパ水腫等を起こしたとき,病気でいうとメニエル病や突発難聴,老人性難聴,騒音性難聴などでおこります。その他,下に主な疾患名をあげました。
外耳・・・外耳炎,異物,耳垢
中耳・・・中耳炎
耳管・・・耳管炎,耳管機能不全
内耳・・・老人性難聴,突発難聴,メニエル病,薬物による難聴
脳・・・脳動脈瘤,動静脈奇形,聴神経腫瘍
耳鳴りがするとき、一度は専門医の診察を受けて、危険な疾患が隠れていないか、聴力はどうか調べてもらった方が良いでしょう。原因が分かって、心配のないものだと分かったら、無視できれば一番いいと思います。ただし、一年に1回は聴力検査を受けた方が良いでしょう。また急に耳鳴りが大きくなったり、聞こえが悪くなっていることに気付いたら早めに受診して下さい。耳鳴りは、疲れがたまったり、人によってはたばこやお酒、コーヒーで大きくなることがあります。そのようなことが分かったら、体調を整え耳鳴りが大きくなるような嗜好品や生活習慣をさけることも大切でしょう。

Q2.一年中鼻詰まりがありますが、治療で良くなりますか。

A.長引く鼻詰まりの原因としては、アレルギー性鼻炎、鼻中隔わん曲症、慢性副鼻腔炎などがあります。アレルギー性鼻炎などで下鼻甲介粘膜が肥厚しているだけの場合は、薬や日帰り手術(レーザーなどによる粘膜焼灼術)で高い効果が得られることもあります。鼻中隔わん曲症が合併していたり、慢性副鼻腔炎による鼻茸がある場合には、入院及び全身麻酔手術が必要となりますが、いずれにせよ鼻詰まりは治療により良くなる可能性が高い症状といえます。

Q3.子供が滲出性中耳炎で治療を受けています。なかなか治らないのですが。

A.滲出性中耳炎とは耳管(咽頭と中耳腔を連絡する管)換気機能不全などにより中耳腔に滲出液が溜まる病気で、難聴を示し、小児の場合は言語発達に悪影響を来す可能性があります。小児は耳管機能が未熟なうえ、6歳頃まではアデノイド肥大などで咽頭の耳管開口部が圧迫されることがあり、薬の内服や耳管通気治療ではなかなか良くならないこともあります。保存的治療が無効の場合は、鼓膜換気チューブ挿入やアデノイド切除などの手術治療を検討します。

Q4.もうすぐ1歳になりますが、中耳炎を繰り返しています。その都度、治療を受けていますがこのままで良いのか心配です。

A.急性中耳炎は、抗菌薬(細菌を殺す薬)の発達や普及に伴い、治りにくい例は少なくなっていましたが、1990年代に入り、急性中耳炎を繰り返したり(反復性中耳炎)、なかなか治らない中耳炎(難治性中耳炎)が増えてきました。それは、薬剤耐性菌(薬に抵抗性を持ち、薬が効きにくい、あるいは効かなくなった細菌)が急増し、その細菌による中耳炎が多くなってきたためです。このような中耳炎に対しては、できれば鼓膜切開をして(0~2歳児に多く難しい面もありますが)、細菌検査(どんな菌によるものか、どのような薬が効果があるかを調べる検査)により効果があると思われる薬を投与します。それで治らない場合は、より強い薬を点滴で多めに投与します。さらに1ヶ月近く治癒しなかったり、再発を繰り返したりする場合は、切開をした穴が閉鎖しないように、チューブを挿入します。お子さんは、反復性中耳炎の可能性もあります。一度、主治医に相談されたらよいと思います。

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