麻酔科

富山県立中央病院麻酔科研修プログラムでは、富山県立中央病院を責任専門研修基幹施設として、富山県内の病院群と新潟県の上越総合病院、岡山県の津山中央病院を含む連携施設での研修を行います。研修の最初の2年間は原則として富山県立中央病院で研修を行い、3年目以降の研修で連携施設での研修が可能です。
 富山県立中央病院は15室の手術室を有し、年間麻酔科管理症例は約5000件と富山県内トップの症例数で、小児の麻酔から心臓血管手術の麻酔まで専門医取得に必要な症例がすべて経験できます。2022年度の麻酔科管理症例は4756例であり、6歳未満の小児症例が148例、帝王切開が41例、心臓血管手術が187例、胸部外科が200例、脳神経外科が61例でした。麻酔科医は12名おり、指導医5名、専門医5名が専攻医の指導をしています。各経験年数に応じての到達目標は以下の通りです。

 

【研修1年目】
 麻酔に必要な基本的な手技(気管挿管、動脈圧ライン確保、中心静脈カテーテル穿刺、硬膜外麻酔、脊髄くも膜下麻酔、神経ブロックなど)を身につけ、麻酔薬に関する専門的知識を修得する。循環作動薬や人工呼吸器に対する理解を深め、適切な循環・呼吸管理を行う。ASA1~2度の患者の通常の定時手術に対して、上級医の指導のもと、安全に周術期管理を行うことができる。

【研修2年目】
 1年目で修得した技能や知識をさらに発展させ、全身状態の悪いASA3度以上の患者の定時手術やASA1~2度の患者の緊急手術の周術期管理を、上級医の指導のもと安全に行うことができる。

【研修3年目】
 心臓血管手術、胸部外科手術、脳神経外科手術、帝王切開、小児手術などを経験し、様々な特殊症例の周術期管理を上級医のもと、安全に行うことができる。また、ペインクリニック、集中治療、救急医療、緩和医療など関連領域の臨床に携わり、知識・技能を修得する。

【研修4年目】
 3年目の経験をさらに発展させ、様々な症例の周術期管理を一人でも安全に行うことができるが、難易度の高い症例や緊急時などには、適切に上級医をコールして、患者の安全を守ることができる。


 麻酔科専門医は、患者が安心して手術を受けられるように、手術中の麻酔管理のみならず、術前・術中・術後の患者の全身状態を良好に維持・管理するために細心の注意を払って診療を行い、患者の安全の最後の砦となる全身管理のスペシャリストです。同時に、関連分野である集中治療や緩和医療、ペインクリニック、救急医療の分野でも、高度医療を安全に提供する役割を担います。      
 忙しい病院ですが、ワークライフバランスを考えた研修プログラムとなっており、ON-OFFのはっきりしたメリハリのある研修が可能です。

集合写真

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