2017.01.18vol.25 集中治療部(ICU)
平井 忠幸
他科での経験をフル活用できる場
集中治療部は先端医療棟の3階に新設された科です。豊富な症例を誇る当院の中でも、特にここには集中的治療を必要とする重症患者さんが集まります。複雑な病態を有する患者さんが多く、知識不足を実感する毎日ですが、ローテーションすることで重症の病態に対する考え方を身につけることができます。
診療中、多くの問題を抱える患者さんと向き合うと、何をどうして良いのか分からなくなるときが少なからずありました。何が一番の問題なのか、何から順に解決していくべきなのか、一つひとつ丁寧に考えるトレーニングをしたいと思ったのがここを選んだきっかけでした。また、内科系を志望している僕にとって、ICUでのシステムや考え方は身につけておくべき必須項目であり、他科の研修では得がたい貴重な機会でした。
中心静脈穿刺やエコーなどの基本的手技だけでなく、人工呼吸器や様々なモニターの使い方など学ぶことはたくさんありますが、集中治療専門医の綿密なフィードバックを受けられるのでやりがいがあります。
他科で培った経験をフル活用できる場でもあるので2年次からの研修がオススメだと思います。循環管理、呼吸管理についてじっくり勉強したい方はぜひ、ローテーションしてください。
AM8:30病棟回診
一日の始まりは担当患者さんの把握から。患者さんの病態をプロブレム別にリスト化し、アセスメントしていきます。複雑な病歴を持つ方も多く、指導医のカルテチェックを受け、たくさんのことを学びます。体系的かつ、細かなアセスメントはICUならではの研修です。
AM9:00心エコー
心機能評価が必要な患者さんに心エコーを行うことになりました。昨日のデータと比較して経時的な変化を評価します。ICUでは一般病床と比べて一人の患者さんと向き合う時間が多くなります。
PM1:00中心静脈穿刺
午後からは透析用のカテーテルの入れ替えを行いました。ICUでは様々なモニタリング、処置を必要とする方が多く入院されているため、研修医は手技を習得する機会が多くあります。熟練した指導医のもとでテクニックを学べるのも大きな魅力です。
PM3:00抄読会の準備
週末の抄読会にむけて、指導医に論文の読み方を教わります。今日は臨床に応用できる論文を読むようにアドバイスを受けました。担当している患者さんにより良い医療を提供するため、またこれから入院される患者さんに備えるため、エビデンスに基づいた知識を吸収することは必須です。自己研鑚の仕方、そして医師として必要なスキルも学びます。
PM5:00カンファレンス
カンファレンスでは担当患者さんの1日の動きを報告します。ICUは担当医が日々変わります。シフト交代の際、夜間当直の先生に的確な情報を伝えるため、分からないところは事前に指導医に質問して解決しておきます。
PM5:30業務終了
ICUはシフト制のため、定刻で業務終了することも特徴です。夜はカンファレンスで指摘されたことを復習するなど、余裕をもって勉強することができます。