富山県立中央病院

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臨床工学科

概要

『臨床工学技士』は病院で働く医療技術者です。
現在の医療に不可欠な医療機器のスペシャリストで、医師の指示の下に生命維持装置の操作及び保守点検を行う専門職種です。
当科のあゆみとしては、平成7年に臨床工学科を設置し、平成10年に臨床工学技士を5名配置、組織化され運用開始となりました。現在では臨床工学科医長1名、臨床工学技士スタッフ14名で構成されており、医師や看護師などと協働し部門ごとの医療機器を用いたチーム医療に貢献しています。
平成28年秋の先端医療棟オープンに伴い、低侵襲手術センター(ハイブリッド手術室)や手術支援ロボットの業務を開始しました。平成29年には医療機器管理センターを新設し、医療機器の中央管理体制を拡充してきました。

特徴・特色

設立以来、各診療科からの臨床業務への対応が主な業務でしたが、現在は医療機器管理業務も充実させています。夜間・休日は日当直体制にて継続中の治療の管理、医療機器の相談や緊急の処置や検査に対応しています。昨今の医療技術の発展に伴い、各分野において目まぐるしく進歩する医療機器に精通すべく日々研鑽に努めて業務内容・質ともにより充実したものとして、患者さんが安心できる安全な高度医療の提供に努めていきたいと考えます。

診療担当表

現在、診療担当表は公開されていません。

医師紹介

現在、医師紹介は公開されていません。

人工心肺業務

      写真1
 後天性心疾患、先天性心疾患、大動脈疾患などの心臓外科手術における体外循環装置(人工心肺装置・経皮的心肺補助装置)の操作・管理をしています。人工心肺装置の保有台数は1台で小児先天性心疾患の手術時は小児用の小さな回路や人工肺に対応させるよう設定や支持部品を替えて使用しています。
 その他には、自己血回収装置、超音波血流測定、大動脈バルーンポンプの操作を行っています。(写真1)

手術室業務

      写真2
 先端医療棟に手術室を拡張し手術支援ロボット「ダヴィンチXi」を導入してロボット支援手術を行っています。手術室看護師と協働して本体の移動、準備、専用の手術台に装置を接近させるロールインと呼ばれる作業を担当しています。
 またコンピューター支援手術の一環として、CT画像データから骨や手術部位の三次元コンピューターモデルを作成して手術器具の位置が確認できるナビゲーションシステムの設置や操作を行っています。画像情報などを解析し最適に画像に再現することで正確な手術を補佐しています。(写真2)

血液浄化業務

      写真3
 血液浄化療法科(透析室)における血液透析装置(21台保有)、多人数透析液供給装置、水処理機装置等の操作や保守・管理を行っています。細菌阻止フィルターの交換や消毒スケジュール、配管レイアウトなどを考慮して透析用水の清浄化に努めており定期的な水質検査も実施しています。(写真3)

      写真4

 集中治療領域においては持続血液濾過透析や血漿交換、エンドトキシン吸着等を行っています。疾患や病態ごとに治療方や材料の種類、設定などを腎臓内科や集中治療室の医師と協議しながら業務に当たっています。(写真4)
      写真5

 血液内科領域における、造血幹細胞移植の自家末梢血幹細胞の採取や骨髄バンクからの血液型不適合骨髄移植に伴う骨髄濃縮を行っています。(写真5)

 消化器内科領域での白血球除去や、LDLコレステロールの吸着除去、生体腎移植の前処理などでの二重膜濾過血漿分離交換法、溜まった腹水を体外に抜いた後の腹水濾過濃縮なども行っています。

心臓カテーテル業務

      写真6
 心臓カテーテル検査、及び心臓血管治療を行う際の心電図モニタリングや、圧解析にて循環動態を計測するポリグラフ装置を主に扱っています。その他にも造影剤注入装置のセッティングや、血管内超音波装置、光干渉断層診断装置、血液ガス分析装置、ローターブレーターの操作を行っています。生命維持管理装置として大動脈バルーンポンプ、経皮的心肺補助装置、体外式ペースメーカの操作も必要時に行い安全な治療のバックアップをしています。(写真6)

      写真7

 不整脈治療関連として心臓電気生理学試験やカテーテルアブレーション治療に携わり、刺激発生装置、心腔内心電図解析装置、心腔内3Dカラーマッピング装置、心筋冷凍焼灼術装置の操作を行っています。(写真7)

植込みデバイス業務

      写真8
 各種植込みデバイス(心臓ペースメーカ・植込み除細動器・心臓再同期療法)の挿入手術時のプログラマー操作、及び定期外来フォローアップにて専用の機器を使った検査、ペースメーカ植込み患者さんの放射線治療の立会いやMRI撮像(対応機種に限る)時の設定変更なども行っています。近年は遠隔モニタリングシステムの導入が拡大しており送信されたデータ管理や作動状況の観察、モニタリング機器設置のサポートなどを行っています。(写真8)

医療機器管理業務

      写真9
 医療機器管理センターを設置し医療機器の中央管理体制にて日々、点検や貸出しを行っています。人工呼吸器、輸液ポンプ、経腸栄養ポンプ、低圧持続吸引器、酸素療法器具などを中央貸出し体制として、使用後は点検や清掃を行い安全性・信頼性が確保された医療機器が常に患者さんに使用される運用になっています。取り扱う膨大な量の医療機器は、医療機器管理システムを用いて情報を電子化し稼働状況の把握や適切な点検計画を立て機器の効率的な運用を実現し経済性の確保にも繋げています。
 また、各種医療機器の作動状況の確認や点検、相談なども請けおい現場での円滑な運用や事故防止にも努めています。(写真9)

      写真10

 院内各所に設置している21台のAED(自動体外式除細動器)の点検を毎月行っています。致命的な不整脈による突然の心停止に電気ショックを行う機器で、いつ誰が使っても適切に作動するよう消耗品やエラーメッセージの有無やバッテリー残量などの点検を行っています。(写真10)
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