呼吸器内科
概要
肺癌や悪性胸膜中皮腫などの肺腫瘍、肺結核や肺真菌症などの呼吸器感染症、気管支喘息などのアレルギー疾患、喫煙が原因の肺気腫、間質性肺炎やサルコイドーシスなどのびまん性肺疾患等、様々な呼吸器関連疾患の診療を行っています。
診療面においては、呼吸器外科・放射線診断科・放射線治療科・病理診断科・その他の科と協力しながら行っています。特に肺癌については、週に1回呼吸器キャンサーボードを行い、呼吸器外科や放射線治療科、放射線診断科、病理診断科の先生と相談しながら治療方針を決定しています。
また、当科では禁煙外来も行っており、禁煙のお手伝いもさせていただいています。(禁煙外来を希望される場合は、主治医にご相談ください。)
様々な呼吸器疾患の診療を行っており、その診断のために画像検査や呼吸機能検査、細菌学的検査、内視鏡検査などを行っています。肺の内視鏡である気管支鏡の施行数は、年間300例以上となっています。治療面においては、肺癌などの悪性腫瘍の症例に対して、殺細胞性抗がん剤、分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害薬などの治療を外来通院(通院治療室など)や入院で多数行っております。また慢性呼吸不全の患者さんに対しては在宅酸素療法を導入しており、その症例数は100名程度です。
年間の入院患者数は延べ約1,000人で、主に9階南病棟と4階南病棟に入院していただいております。9階南病棟は、肺結核の患者さんなどが入院される結核病棟と、その他の呼吸器疾患の患者さんが入院される一般病床があります。
確実な診断と治療で、患者さんに良い医療を提供できるように努めています。
診療担当表
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | |
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初診 | ○ | ○ | ○ | ||
再診7 | 正木 | 谷口 | 正木 | 谷口 | 畦地(一般) |
再診8 | 津田 | 水島 | 津田 |
医師紹介
医師名・職位 | 専門分野 | 資格 | |
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部長 谷口 浩和 (たにぐち ひろかず) |
呼吸器一般 アレルギー |
富山大学医学部医学科臨床教授 金沢大学医薬保健学域医学類臨床准教授 日本内科学会内科認定医・総合内科専門医・指導医 日本呼吸器学会専門医・指導医 日本アレルギー学会専門医・指導医 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医・指導医 日本結核病学会結核・抗酸菌症認定医・指導医 がん治療認定医 |
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医長 正木 康晶 (まさき やすあき) |
呼吸器一般 |
日本内科学会内科認定医 日本呼吸器学会専門医 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医 |
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医長 津田 岳志 (つだ たけし) |
呼吸器一般 肺癌の診断 薬物治療 診断的気管支鏡 |
日本内科学会内科認定医・総合内科専門医 日本呼吸器学会専門医 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医 |
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医員 畦地 健司 (あぜち けんじ) |
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医師 松山 圭 (まつやま けい) |
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医師 水島 伊佐美 (みずしま いさみ) |
気管支鏡検査について
胸部X線写真やCT写真みつかった異常影に対して、肺のカメラで気管支の内腔を観察したり、鉗子やブラシ、針などを用いて細胞・組織を採取する検査です。肺癌を疑う陰影に対しての検査が最も多いですが、そのほかにも感染症や間質性肺炎、サルコイドーシスといったさまざまな疾患の診断に対しても大変有用です。当院では肺癌を疑う末梢の結節に対して、従来の気管支鏡よりも細い直径3.0mmの極細径気管支鏡を用いる場合もあります。また超音波気管支内視鏡やCT画像から作成した立体的なナビゲーション画像を用いることで、診断率の向上と短時間で負担の少ない検査を心がけています。
画像提供:オリンパス株式会社
気管支ナビゲーション画像
肺癌 分子標的治療薬について
分子標的治療薬は、がん細胞を増やす分子に働きかけて、がんの増殖を抑える薬です。組織や血液検査でがんの遺伝子変異を調べることで、それぞれの遺伝子変異に対する分子標的治療薬を用いて治療を行います。以前は一つ一つ遺伝子変異を検査するコンパニオン診断がメインでしたが、近年はがん遺伝子パネル検査で多数の遺伝子を同時に調べることができるようになりました。肺癌に対する分子標的治療薬の進歩は著しく、2023年7月現在、EGFR、ALK、ROS1、BRAF、MET、RET、KRAS、NTRKの8種類の遺伝子異常に対する分子標的治療薬が使用可能です。
肺癌 免疫チェックポイント阻害薬について
免疫チェックポイント阻害薬は、癌細胞によって免疫が働かなくなっている状態を戻すことによって、本来の免疫で癌細胞を攻撃させる薬です。2015年12月にPD-1抗体であるニボルマブ(商品名:オプジーボ)が保険適応となって以降、肺癌に対してさまざまな種類の免疫チェックポイント阻害薬が使用できるようになっています。現在肺癌に対しては、免疫チェックポイント阻害薬単剤での治療、従来の抗癌剤と組み合わせた治療、そして免疫チェックポイント阻害薬同士を組み合わせた治療(PD-1抗体とCTLA-4抗体)を行っています。ご高齢な方でも治療ができたり、長期的な効果を望める方もいます。一方で間質性肺炎や自己免疫疾患など重篤な有害事象を起こすこともあるため、慎重に治療を行っています。
喘息の治療について
喘息は空気の通り道(気道)に炎症が続き、さまざまな刺激に気道が敏感になって発作的に気道が狭くなることを繰り返す病気です。吸入薬治療の普及により、以前に比べて発作を起こす方や死亡例は減少しているものの、喘息をもつ患者さんは増加傾向となっています。また難治性・重症の喘息のために、頻回に病院を受診したり、ステロイドの長期内服が必要となっている患者さんもいます。当院では吸入ステロイドや気管支拡張薬などの吸入治療に加えて、難治性・重症の患者さんに対して生物学的製剤での治療を行っています。生物学的製剤は、アレルギーの生じる経路を特異的に抑えることができる注射製剤です。2023年7月現在、5種類の生物学的製剤が使用でき、患者さん一人一人に合った製剤を使用し、喘息症状の良好なコントロールを目指しています。