富山県立中央病院

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お知らせ

麻酔科-Q&A

2020/07/17

Q1.全身麻酔は安全ですか?

A.単に手術中の痛みをとることだけを目的とせず、手術を受ける患者さんの全身管理を行うという発想の転換から、ここ20年の間に麻酔は飛躍的に進歩し、安全に行われるようになってきました。また、麻酔器や、モニターも非常に進歩しています。2018年の麻酔学会の統計では、麻酔が原因の偶発症例の最終的な死亡率は、2016109症例に10例でした。当院では、麻酔専門医による術前診察、手術当日の麻酔科カンファレンス、術後回診等により、患者さんの周術期(術前から術後まで)管理を行い、より安全な麻酔を目指して日々努力しています。

Q2.手術後(麻酔からさめた後)は痛いのですか?

A. 多少の痛みはあるものと考えて下さい。痛みは身体が異常を感知した時の警報なので、完全に痛みを取ってしまうと術後急性期の合併症を発見できないこともあるのです。術後の鎮痛にはさまざまな方法があります。当院では、局所麻酔薬による末梢神経ブロックや硬膜外麻酔の併用や、坐剤や注射薬で対応しています。この他には、麻薬などを少量持続的に注射する方法などもあります。これらの鎮痛方法を組み合わせた結果、現在のところ、安静時には痛くないけれども、体を動かしたり、咳をすると少し傷にひびく程度にまで術後の痛みは押さえられています。

Q3.どんな病気の時に麻酔科(ペインクリニック)外来を受診すれば良いのですか?

A.急性痛から慢性痛、痛み以外にも自律神経のアンバランスが原因の病気・症状(例えば鼻アレルギーなど)でお悩みの方は一度御相談ください。
ペインクリニックが治療対象とする病気や症状を部位別に示します。

部位 病気や症状
全身 癌性疼痛、帯状疱疹(後神経痛)、反射性交感神経性萎縮症、外傷や術後の長引く痛み、自律神経失調症、バージャー病、など
頭部・顔面 片頭痛、三叉神経痛、顔面痙攣、顔面神経麻痺、突発性難聴、花粉症、顎関節症、など
頚・肩・腕部 頚肩腕症候群、頚椎症、外傷性頚部症候群、肩こり、五十肩、など
胸背部 肋間神経痛、開胸術後疼痛、など
腰部・下肢 腰痛症、坐骨神経痛、椎間板ヘルニア、閉塞性動脈硬化症、など

Q4.子供が予防接種を受けました。全身麻酔を受けるまでにどれくらい期間をあければ良いですか?

A.

  • 生ワクチン:3週間以内
  • 不活化ワクチン:2日以内

 手術侵襲や麻酔によって免疫能は抑制されるため、理論的にはワクチンにより抗体を産生するべき時期に麻酔や手術を行い免疫能が抑制されれば、抗体産生が不十分となる可能性はあります。しかしながら科学的根拠はありません。
一般的には、予防接種の副作用による症状(発熱など)と、上気道感染を初めとする感染症の症状や術後合併症による症状とがまぎらわしく、鑑別のための時間も必要であることから、可能であれば上記期間を空けた後に全身麻酔による検査や手術を行うことが望ましいとされています。
なお、全身麻酔後どれくらいで予防接種を受けても良いかについては、「全身麻酔後1週間は予防接種を避ければ良い」との報告があります。

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