富山県立中央病院

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お知らせ

かれ声になる病気

2016/03/22

正常喉頭 かれ声になる病気はいろいろありますが、主なものは、急性喉頭炎、声帯ポリープ、反回神経麻痺、喉頭癌等です。その他に、加齢により声帯がやせたり、緊張が弱くなる老人性喉頭という状態もあります。いずれも、鏡で声帯をみる検査や、鼻から細いファイバーを入れて声帯を観察する検査で容易に診断できます。

1.急性喉頭炎

 風邪をひいた時や、よく声を使ったときに声がかれるのはこの疾患です。薬を飲んだほうがよいこともありますが、声を使わないようにしておれば自然に治ります。1ヶ月しても良くならない時は、他の疾患の可能性があります。

2.声帯ポリープ

 声帯の強い振動のために声帯の粘膜の微小血管が破れ、血豆となりそれが固まるのが主な原因と言われています。したがってよく声を使う人にできやすく、また、消化管のポリープのように悪性化することもありません。
 治療はごく小さいものなら、声を使わないようにすれば治りますが、ある程度の大きさでは、声を治すためには手術が必要です。
 手術は口から鉄の管を入れてポリープを切りとるので、全身麻酔でします。術後は約7日間の沈黙を除けば、翌日から食事も運動も通常通りでよいので、入院期間は2泊3日で充分です。

3.反回神経麻痺

 突然かれ声になるのと、息がぬける様な声が特徴です。はじめはムセも伴います。
 約半数は、特に原因がなく、ビールスによるものと言われていますが、中には重大な疾患が原因となっていることがあります。
 反回神経は声帯を動かす神経で、脳から出て頸部を通り胸部まで下行した後、反対に上行し喉頭の筋肉に達しますが、その走行部位にある病気が神経を障害し麻痺をきたすことがあります。例えば、甲状腺癌、食道癌、肺癌、大動脈瘤等です。反回神経麻痺の場合は、胸部レントゲン、食道透視、頸部胸部CT等の検査が必要です。

4.喉頭癌

喉頭癌喉頭癌 喉頭癌の約半数は声帯から発生します。したがってごく初期から声がかれます。声帯以外から発生した時はある程度進行してからかれ声になります。90%以上が男性で喫煙者に多くみられます。女性で非喫煙者の喉頭癌は極めて稀です。
 喉頭癌は、初期であれば声をなくすこともなく殆どが治る病気です。ある程度進行した状態では、のどをとる手術が必要で声をなくしますが、それでも70%以上が治ります。
 喉頭癌の疑いがあるか、その可能性が大きいか等は、耳鼻咽喉科の一般的検査である鏡やファイバーでの喉頭の観察で簡単に診断できます。
 1ヶ月以上かれ声が治らなかったり、徐々に悪くなってきているときは、あるいは40歳以上の男性でたばこを吸う方は、検診の意味もかね、耳鼻咽喉科医の診察を受けたほうが良いと思います。

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