富山県立中央病院

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お知らせ

腎癌に対する「腰部高位切開」による腹腔鏡補助小切開手術

2016/03/22

ボトルシップ まず、腹腔鏡補助小切開手術(いわゆるミニマム創手術)についてご説明しなければなりません。ミニマム創手術は、例えるなら、ガラス瓶の中で帆船などの模型を作る作業を行うボトルシップ(ship in a bottle)に似ています。ボトルシップと異なるのは、手術の場合、臓器を剥離/切断などの操作後に摘出しなければならないことです。

 腹腔鏡下手術でも同様のことが言えますが、臓器を摘出するための皮膚切開を腹腔鏡下手術では最後に行うのに対し、ミニマム創手術ではあらかじめボトルシップの口を5-8cmの皮膚切開して手術を行います。どうせ最後に臓器摘出するのならあらかじめ最小限の間口を作っておこうという発想です。
ボトルを例にした腹腔鏡手術とミニマム創手術

 手術がやり易いかどうかは、ボトルシップの内側の空間をどれだけ広げられるかと、間口の部分から見てこの空間のすみずみをどれだけ見渡せるかに掛かってきます。

 さて、腎臓の上半分はろっ骨や横隔膜に隠れるような部位にあり(図1)、通常行われているミニマム創手術で行うと手術操作に困難を感じることが多いのです。

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 つまり、通常のミニマム創手術ではろっ骨先端付近を皮膚切開するので、間口の部分と腎臓の存在する空間とが斜めにずれることと、この間口からでは腎臓を斜めに覗き込むような見づらい視野になることが理由です(図2)。

図2 通常のミニマム創手術における間口とお腹の中の空間

 当科で行っている「腰部高位切開」を行えば、腎上部でも間口のほぼ真下に見ることができます。これはろっ骨(たいてい11番肋骨)を部分切除することによって可能になります(図3)。

図3 「腰部高位切開」によるミニマム創手術での間口とお腹の中の空間

 ろっ骨の部分切除は少し慣れが必要ですが、習得すれば以上のような絶大な効果をもたらします。これを行わない施設が多いのは、ろっ骨切除を煩雑と考えていることと、胸膜を損傷して気胸になる可能性を懸念しているからと思います。我々の経験では術中気胸はまれに発生することはあってもその時点で修復して事なきを得ており、何も問題になっていません。

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