2016.03.28vol.18 救命救急センター

宮越 達也

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多様で豊富な患者を診療、中身の濃い2ヶ月間!

 当院での初期研修の魅力の1つが救急研修だと思います。1年次は2ヶ月間、2年次は1ヶ月間、研修ローテションすることが必修になっています。当院の救急外来には1次救急(頭部打撲など)から3次救急(交通外傷など)まで幅広い患者が受診するため、多様で豊富な患者を診ることができます。
 問診、身体診察、必要な検査は基本的に研修医が考えてオーダーするため、患者の症状をよく聴き、何が必要で何が不要な情報なのかを考えながら、診察を行うので、臨床能力が磨かれます。もちろん、わからないことは気軽に指導医に相談できるのも魅力だと思います。
 毎朝、前日の振り返りをしていただき、病態の考え方、カルテの記載の仕方、画像所見の復習など勉強になることがたくさんあります。また、夕方には指導医からフィードバックを受けます。良かったことを振り返り、課題や反省点を挙げ、明日からの診療へつながる復習ができます。  また2週間に1度、救急外来で診た患者さんの症例をパワーポイントにまとめ、発表します。医師になると、学会発表の機会が増えますが、症例をうまくパワーポイントにまとめることで、プレゼンテーション能力が身に付きます。また、その症例の疾患について詳しく調べ、発表するので知識も深まります。
 今年度からドクターヘリも導入され、重症な患者も運ばれてくる頻度が増えてきています。2年次からはドクターヘリに乗って研修できるので、今から楽しみです。上級医は指導熱心で毎日、とても勉強になっています。学びが多く、新しい発見の毎日です。大変感謝しています。

笠原 理愛

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一番主体的に動き、学ぶことのできる現場です。

 救急では基本的に研修医が1st touchを行います。ここは研修医にとって一番主体的に動き学ぶことができる診療科といっても過言ではないかもしれません。
 当院の救急では、walk inから救急搬送まで、緊急性・重症度も様々な患者さんが多く来院するため、日々経験したことのない新しい症例に出会うことができます。そのため、分からないことや初めての検査など、次から次へと遭遇することになりますが、常に上級医の先生が一緒に診療に当たって下さるため、その場ですぐに疑問点を解決できる環境が整っています。また、上級医の先生に聞きづらい些細な場合は、2年目の研修医の先生や同期に質問し、試行錯誤しながら一緒に診療にあたることもできるので、そういった時間もとても楽しいものでした。
 ローテートする前、救急というと、バイタルの不安定な緊急性の高い症例が多いイメージがありました。しかし、緊急性のない症例であれば原因や病態を考えながら丁寧に時間をかけて診療を行うこともでき、全身の身体診察など基本的な診療の部分を再度学べる良い機会にもなったと思います。
 他科に比べ長期のローテートでしたが、多くの手技や症例を経験することができ、大変有意義な研修を行うことができました。丁寧に、優しく指導して下さった先生方に感謝申し上げます。

時計アイコンAM8:30前日の振り返り

前日に救急外来で診た患者さんの振り返りを行います。症例をみんなで共有して振り返ることで新たな発見があったり、見落としていた点に気づくこともあります。その後、当日の個人目標を立てて仕事に臨みます。

時計アイコンAM9:00研修医症例検討会

症例検討会風景 週に1度、自分たちが経験した症例の検討会を行います。研修医がパワーポイントを使って症例を提示し、その症例に関して勉強したことを発表します。指導医の先生方から様々な質問が飛んできますが、その質問に答えられるよう一生懸命勉強して準備します。これは学会での症例発表の練習にもなります。

時計アイコンPM0:00昼食

症例検討会が終わり、救急外来が落ち着いていれば昼食休憩をとります。いつ次の患者が来院するかわからないので、基本的には控え室で弁当を食べることが多いです。午後からも頑張るために、ここで一息つかせます。

時計アイコンPM0:30診療開始

診療風景 救急搬送や一般外来でトリアージされた患者さんが救急外来にやってきます。上級医の指導の下、問診、身体所見を取り、必要な検査や点滴をオーダーします。採血や血液ガス、心電図、超音波検査などを自分たちで行い、画像検査も含めて結果が出たら、専門医にコンサルトします。

時計アイコンPM5:15フィードバック

患者を診ている場合は、専門科へのコンサルトまで担当することがありますが、大体はこの日の当直者に引き継ぎます。また、この時間は指導医からフィードバックを受けます。診察した患者をまとめ、この日に学んだこと、良かった点、反省点や課題を記載し、指導医からフィードバックを受け、朝に立てた目標がどれだけ達成できたか振り返ります。

時計アイコンPM6:00勤務終了

この日出た反省点や課題について、自己学習し、明日からの診療につなげます。夜はゆっくり休んで明日に備えます。

研修医レポート